17話:アリシアに片手杖をプレゼントしていく
翌日の昼過ぎ。アリシアの部屋にて。
「アリシアさん。それじゃあ今日も一緒にリハビリを頑張っていきましょう!」
「はい。今日もよろしくお願いしますね、セツナ様!」
俺はアリシアの部屋にやって来て挨拶をしていった。アリシアは顔色も良くなっている。かなり元気になってきてくれて良かったよ。
「あ、そうだ。セツナ様。そういえば妹のエステルから良ければ近い内にクルセイド家に招待したいと言ってましたよ」
「クルセイド家ですか? それって確かエステルさんの結婚先の家ですよね?」
「はい、そうですよ。そしてクルセイド家はエルフェミナ家とずっと懇意にしている家ですから、私にとってクルセイド家の皆様は家族同然のような方々なんです。私が難病に罹っていた時には家族総出で何度も私のお見舞いに来て下さりましたしね」
「へぇ、そうだったんですね。それじゃあもしかしてエステルさんの婚約者というのは昔から親交が深かった方なんですかね?」
「そうですね。エステルが婚約したのはクルセイド家の次男ですが、幼少の頃からずっと仲良く遊んでた間柄ですよ。私も幼少の頃はエステルたちと一緒に沢山遊んだりしたものです」
「なるほど。それは楽しそうな幼少期の思い出ですね」
「はい、とても楽しかったですよ。幼少の頃の遊んだ記憶は今でもすぐに思い出せます。ふふ」
という事でアリシアからエステルの結婚相手の話を聞いていった。
どうやらエステルとその婚約者は、ギルバート夫妻と同じような幼馴染の間柄らしい。きっと仲がとても良い間柄なんだろうなというのが容易に想像付くな。
「ですからクルセイド家でもセツナ様に感謝の気持ちを伝えたいという話が出ていて、私の体調が戻ったら食事会でもしませんかと打診が来たのです。」
「ふむふむ、食事会ですか。それは何だか楽しそうな提案ですね。それじゃあアリシアさんの身体が良くなったら是非とも一緒にご飯会を行きたいって伝えといて貰えますか?」
「ふふ、わかりました。それでは今度エステルに会ったらそう伝えときますね」
「はい、よろしくお願いします! あ、それと俺からもアリシアさんに話したい事があるんです。実は今日はアリシアさんにプレゼントを持ってきたんです。良かったらそのプレゼントを受け取って貰えますか? これなんですけど……」
俺はそう言って昨日買ってきた杖が入った箱をアリシアに手渡していった。
「え? 私にプレゼントですか? ふふ、もちろんです。ありがとうございます、セツナ様。早速ですが開けてもよろしいのですか?」
「はい、もちろんです。開けてみてください!」
「ありがとうございます。それでは……わぁっ、これはもしかして杖ですか?」
アリシアは箱の中から杖を取り出していった。中からはオシャレな片手杖が出てきた。
「はい、そうです。アリシアさんは俺のサポート込みではありますけどだいぶ歩けるようになってきたので、そろそろ杖を使ったリハビリにも移行したら良いかもなと思ったので買ってきたんです。アリシアさんに似合う色だと思うのですがどうですかね?」
「はい、そうですね。凄く好きな色です。私のために選んでくださってありがとうございます。これでさらにリハビリを頑張れそうです。でも……」
「でも? 何か杖について問題点でもありましたか?」
「い、いえ、問題点という訳ではないんですけど……でもこれからは杖を使ってリハビリをしていく事になると、セツナ様と手を繋げなくなるのがちょっと寂しいですね……」
アリシアはちょっとだけ寂しそうにしながらそう言ってきた。でも俺はキョトンとしながらこう言った。
「え? これからも俺はアリシアさんの手を繋いでいきますよ?」
「え? こ、これからも私の手を繋いで下さるのですか……?」
「はい、もちろんです。だってこの杖は片手杖ですからね。だからもう片方の空いてる手はこれからも一緒に手を握っていきますよ。だからこれからも一緒に頑張ってリハビリをしていきましょうね!」
俺はアリシアに向かってそう言っていった。すると寂しそうにしてたアリシアは一転していつも通り柔和な笑みを浮かべ始めていった。
「セツナ様……はい、それなら良かったです。それではこれからも……ふふ、よろしくお願いしますね。セツナ様」
「はい、もちろんです」
そう言ってこれからも一緒に頑張っていく約束を交わしていった。




