16話:アリシアのために杖を購入していく
それから数日後。エルフェミナ家屋敷の庭にて。
「はぁ、はぁ……」
「そうそう、良い感じですよ! その調子です!」
「はぁ、はぁ……はい……!」
俺は今日もアリシアのリハビリを手伝っていた。いつも通りアリシアの両手を掴みながら庭を一緒に歩いていた。
「よし、だいぶ歩けましたね! それじゃあ時間もちょうど良い頃合いですし、今日のリハビリはこれで終わりにしましょうか!」
「はぁ、はぁ……わかりました。ありがとうございました……!」
今日も沢山歩く事が出来たので、今日のリハビリはこれで終わりにした。そしてそのまま俺達は庭の草むらの上に座りながら休憩をしていった。
「はぁ、はぁ……今日も沢山歩きましたね……ふぅ」
「そうですね。それにしても最初の頃と比べたらだいぶ歩けるようになりましたね。体力もかなり戻ってきたようですね!」
「あ、確かに最初の頃と比べたらだいぶ歩けるようになったのかも……ふふ、毎日セツナ様にお手伝いして貰っているおかげですね。本当にありがとうございます」
「いえいえ。俺の力なんて微々たるものですよ。アリシアさんが頑張っているからこそここまで体力が戻って来てるんですよ。本当にここまでよく頑張りましたね」
「セツナ様……はい。そう言って貰えると嬉しいです。ふふ」
俺はアリシアの事をじっと見つめながらそう伝えていった。
アリシアの身体は以前まではガリガリにやせ細った身体だったけど、今は全体的にかなり健康的な身体になっている。毎日しっかりとご飯を食べられている証拠だ。
そしてアリシアの歩く速度やスタミナも最初と比べたらだいぶ増えている。
最初の頃は立つだけでも大変そうだったけど、今では休憩を込みでも一時間くらいは余裕で歩けるようになっている。もちろん俺の手によるサポートは込みだけど、でもかなり身体の調子を取り戻せているようだ。
「あ、そういえば最近はご飯はどうですか? 流動食からは卒業出来ましたか?」
「はい。今はもう固形食も食べて良いという事で、ちゃんと三食食べる事が出来ています。毎日美味しいご飯が食べられてとても幸せな気持ちです」
「そうですか。それなら良かったです。ここまで来たらあと少しでちゃんと身体も万全になりそうですね!」
「はい、そうなってくれると嬉しいです」
アリシアとそんな会話を繰り広げていった。ここまで元気になっていったらアリシアのリハビリ生活も近い内に卒業出来そうな気がするな。
よし、それじゃあ元気になったアリシアにこれからもっと沢山歩く練習をして貰うためにも……アレを購入してあげる事にしようかな!
◇◇◇◇
―― ワイワイ、ガヤガヤッ
「やっぱりいつも賑やかな街並みだなー」
今日のリハビリが終わってからしばらくして。俺は王都の中を一人で練り歩いていた。いつも通り老若男女問わず沢山の人で賑わっている。
そして俺はそんな王都の街並みを眺めながらも雑貨店を探していた。理由は欲しいモノがあったからだ。その欲しいモノを探し求めて俺は王都の中をグルりと徘徊していた。
「えぇっと、アレが売ってそうなお店は……お、あそこのお店にあるかもしれないな!」
俺はとある雑貨屋を見つけた。何となく俺の欲しいモノが売ってそうな雰囲気がしたので、早速中に入ってみた。
―― カランコロン♪
「すいません、誰かいますかー?」
「おう、いらっしゃい。お客さんかい。何か探しモノでもあるのか?」
「はい。えっと、身体を支える杖を探しているんですけど、この雑貨屋には置いてますか?」
「身体を支える杖か。もちろんあるよ。でも坊主が使う訳ではなさそうだな。誰か怪我でもしちまったのかい? それとも家族の爺さん婆さん用にかい?」
「そうですね。友人……と言っていいかわかりませんけど、ちょっと病気になっていた女性へのプレゼントで渡したいなと思っているんです」
「ほうほう。そういう事か。女へのプレゼントだなんて……はは、坊主は中々隅に置けねぇな。わかった。そういう事ならこの杖とかどうだ? シンプルだけどオシャレな杖だ。それに杖の持ち手にアクセサリを埋め込む事も出来るから、自分だけのオリジナル杖にカスタマイズする事も出来るんだ。そういうのが好きなヤツにはオススメだよ」
「なるほどなるほど。確かにシンプルかつオシャレで女性用に良さそうですね。わかりました。じゃあその杖を買います!」
「毎度あり。それじゃあ梱包はどうする? プレゼント用に包むかい?」
「あ、はい。お願い出来ますか?」
「おう。わかった。それじゃあ……ほらよ。これで完成だ。それじゃあ怪我人の女性に大事に使ってくれって言っといてくれな」
「わかりました。ありがとうございます!」
という事で俺は目当ての杖を購入して雑貨屋から出ていった。翌日になったらアリシアにプレゼントする事にしよう。




