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205/247

205 見極めるには

どうぞよろしくお願いします。

 そこからの展開は早かった。


 カイエン達はレンダート伯爵を呼び、ミレーヌの居場所がわかったこと、ミレーヌに今回嘘を吹き込んだのはコーデリア・イシュー子爵令嬢ではと思われることを話した。


「今日も、イシュー嬢は我が家に来ているが!?」


 レンダート伯爵は驚いた。

 ジョナサンがみんなの意見をまとめて伝えてくれる。


「シーラとマリアが一緒ですので大丈夫でしょう。

 ただ、彼女が本当に何を考えて、このようなことをしているのか、知りたい。

 そのことがわからないとミレーヌは頑固者ですので、納得しないでしょう。

 そこで、イシュー嬢をわざと泳がせてみることにします」


「妻をおとりにすると?」


「ウィリアムが見張ってくれることになっています。

 ウィリアムが残るならマリアも残り協力してくれるでしょう。

 カイエン達がミレーヌ()()()()()()情報があり、確認のため王都を不在にすることになったと、夫人には伝えて頂けませんか。

 マリアとシーラもその情報について連絡を待つため、レイオス辺境伯爵家に戻ると」


「あ、ああ、わかった……」


 レンダート伯爵はまだ半信半疑だ。

 自分もかつて所属していた魔法協会という組織の………初めての女性隊長という輝かしい才能を誇る女性魔法使いが自分の直属の部下になるカイエンの婚約者に、悪意を持って仕掛けてくるなど、考えられない……。

 しかし、制服で上司として職務で訪ねて来るのではなく、子爵令嬢として個人的に我が家を訪ねてくる姿には確かに違和感があった。


「わかった。妻にそう伝えてこよう。

 今なら、一緒にいるイシュー嬢にも伝わるしな。

 そして、今日はこれから慌ただしくなるからと帰って頂こう」



 お茶会はお開きとなり、マリアとシーラもこちらに合流し、相談した結果、カイエン、クルト、コーラス、ジョルジュ、ジョナサンの5人で東部へ行くこととなる。

 シーラ、マリア、ウィリアムは王都に残り、コーデリアの真意を見極めることに。

 伯爵は悩んだが夫人には伝えないことにした。

 シーラとマリアはレイオス辺境伯爵家にいつ連絡が入るかわからないからという理由でレンダート伯爵家を出るが、隣のミュラー子爵家でこっそり過ごすことにし、何かあればすぐ駆け付けられるようにした。


 レンダート伯爵とウィリアムでどうコーデリアの動向を見張るか……という話になり、レンダート伯爵夫人に記録の魔道具を持たせることになった。

 これならばコーデリアが夫人にだけこっそり話していたことも記録できる。


「ウィリアムのペンダントですか?」


 マリアが聞いた。


「ああ、我が家には魔石を使った魔道具がいくつか伝わっていて、ウィリアムが身につけているミュラー子爵家のペンダントもその機能があるな。

 私の祖父、バートがさらに発展させた魔道具をいくつか作っている。

 カイエンも幼いながら協力していたね。

 カイエンにはあの転移のブレスレットが欲しいと言われ、渡していたのだが……」


 空気が重くなる。

 みんな、あのミレーヌの髪を握り締めるかのように留めていたブレスレットを思い出したのだろう。

 ジョナサンが「妹が申し訳ない」と一言言った。


「いや、大切な物だと理解して、壊すのではなく、返してくれた。

 ミレーヌのそういうところ、私は好きだよ。

 カイエンの嫁として、今でも、彼女が戻ってくれることを望んでいる」


 伯爵がそう言いながら、箱を取り出した。


読んで下さり、ありがとうございます。

完結に向けてゆるゆる進んでいます。

お付き合いして下っている皆様、こんな長い話を読んで下さり、本当にありがとうございます。

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