206 イシュー嬢と王妃?
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箱の中からは、つるんと丸く鏡のように輝いて光と周囲の景色を映り込ませるように磨かれた透明な石がついたペンダントと手のひらぐらいの手鏡のような黒い石がはめ込まれた板のような魔道具が現れた。
レンダート伯爵が説明してくれる。
「このペンダントが周囲の情景、様子や音も含めて記録することができる魔道具だ。
こちらの板の様な物はそれを離れた場所でも見ることができるという物で……。
離れ過ぎると映らなくなる。王都の中なら大丈夫だ。
ペンダントで記録されたことは、こちらの板にも記録される。もし、ペンダントが魔道具だとばれて、壊されるという妨害にあっても、記録はこちらに残るというわけだ」
「では、このペンダントを母に身につけてもらって……」
ウィリアムの言葉にレンダート伯爵は頷いた。
「ああ、ミュラー子爵家で、この板の魔道具の方を監視しよう。
特に、妻がイシュー嬢と会っている時は、私もできるだけミュラー子爵家から見守ろう。
早速、明日からイシュー嬢はひとりになる妻を慰めるために日参すると張り切っていたよ。
全く急にひとりにするのはおかしいから……、シーラとマリアにはうまく、時々は顔を出して欲しい」
ジョナサンは頷いて「シーラとマリアをどうぞお願いします」と言ってから、カイエンに「ではこれからレイオス辺境伯爵家に移動し、明日、発つ準備をしよう。夫人に挨拶してこい」と言った。
カイエンは頷いて部屋を出て行く。
ジョルジュが「私は一度王城に戻って……」と言うが、ジョナサンが遮った。
「さっきも話が出ていたが、ミレーヌを捜していた男達が気になる。
あそこはファルク公爵領だよな。
公爵領で、自由に活動しているとなると……、相手は……」
「王家? 王妃?」
ジョルジュが気づいたように言った。
「おいおい、なんだか穏やかじゃないな。
イシュー嬢と王妃は繋がっているのか?」
コーラスが言うとジョナサンは首を振った。
「それはないと思うが……。
どちらも、何かミレーヌを狙って動いているようだ。
気をつけていこう。
ジョルジュ王子、私達と行動を共にするなら、王家には詳しく伝えないように気をつけて欲しい。
それにエドワード王子もファルク公爵領に呼び出されている……。
偶然だろうか?」
ジョルジュが頷いた。
「ああ、わかった。
王城には戻らず、このまま行こう。
レイオス辺境伯爵家に。それから東部の辺境まで!」
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