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198 興味がある?

どうぞよろしくお願いします。

 その日の夕方、夕食を食べている時、いつもより屋敷の中が慌ただしいのに気がついた。

 なんとなくメイドがそわそわしてたり、人が走り回る音が昨日より響いていて……。

 ミレーヌはあくびをした。

 あれ、室内で過ごしてたし、あまり疲れている感じはないのだが……。


「姫様、湯あみを」


 メイドもミレーヌを姫様と呼んでいる。

 メイドに促され、早めに風呂に入る。上がったところで、猛烈な睡魔に襲われる。

 睡魔の強さに違和感を覚えるミレーヌだったが、もう起きていることはできず……。



「ミレーヌ! おい! ミレーヌ!! しっかりしろ!」


 身体を揺すられ、頬を軽く叩かれる感触に、ミレーヌは何とか目をこじ開ける。 

 見覚えある顔……、えっと……。


「エド? エドワード……王子!?」


 そう言いながら身体を起こそうとして肌寒いのに気がつき自分の身体を見て「……ぎゃ」と叫びかけてエドワードに口を塞がれるミレーヌ。


「ここは私がいつも泊まる部屋だ。

 いつものようにこの部屋に来て、ベッドに入ったら……、ミレーヌが寝てて……」


 ミレーヌは布団を首元まで引っ張りあげる。真っ赤になっている。

 エドワードはミレーヌの口を押さえていた手を離した。


「……私は昨日からここにっ!

 今日は、夕食を食べてからすごく眠くて……。何か盛られたのかも!

 こんな、こんな服、着た記憶がないっ!!」


 ミレーヌが見に付けていたのは、いわゆる夜着と言われる、貴族の間で、初夜や夫に今日は一緒に寝ようと告げられた妻が身につける薄手の肌が透ける上に露出激しめの……、いわゆるそういう服だったのだ。


「……わかってるよ。ミレーヌがそういう女性ではないことくらい」


 そう言いながらエドワードの顔も赤い。


「母の、王妃の差し金だろう。

 ファルク公爵家は母の実家なんだ。

 巻き込んですまない。

 それで、ミレーヌは今までどうしてたんだ?」


「……と、ちゃんとした服に着替えていいですか?」


 ミレーヌの消え入りそうな声にエドワードは慌てた。


「あ、うん、その、でも、私が部屋を出ると他の者が……」


「……エドワード王子は布団を被って見ないで下さいっ!」


 ミレーヌはエドワード王子の頭から布団を掛けるとベッドから両足を下ろして収納魔法から自分の服を取り出し、着替え始める。


「なんだ? この服、どうやって脱ぐの?

 あ、このリボンを引けばいいのか!?

 わー、仕組みがわかればすぐ脱げる……のか」


 ついぶつぶつ文句を言いながら着替えているとエドワードが言った。


「悪い、黙って着替えてくれ。話を聞くと見たくなる……」


 冒険者の時に着ていた服に着替え終わり、布団の山をトントンと叩いてから布団を引き下ろす。

 まだ赤い顔のエドワード王子が現れた。


「んっ、前のミレーヌだな」


「はい、これが気にされてた夜着ですよ。

 ここのリボンを引くと、ここが緩んで全部脱げる仕組みみたいです」


 ミレーヌがベッドの上に夜着を置いて説明した。


「なるほど……って!

 そういうことじゃなくてっ!

 変な気になるから、それはしまってくれ!」


 ミレーヌは夜着を収納した。


「すみません。興味がおありなのかと……」


「興味は……、それなりにあるけれど……、今じゃない!

 今は、なんでミレーヌがここにいるかだろ!?」


読んで下さり、ありがとうございます。

興味はあるんだ……。ふーん……。

ミレーヌとエドワードの掛け合いは書いてて楽しいです。ふっふふ。

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