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191 おじいちゃん

どうぞよろしくお願いします。

「どうしたの!?」


 レンがびっくりして立ち上がり、居間の縁まで行くとバートが駆け寄って来てレンに抱きつく。

 ジョバンニはリオルを見て……、というか、睨んでいる?


 ライナスが苦笑しながら言った。


「いや、レンがお世話になるならって、これケイトから」


 ライナスが片手に持つ包みを見せてくる。


「で、俺達も泊めてくれ。いや、バートがレンのところに行くってきかなくて」


 バートがその言葉にレンの腕に顔を隠すようにすり寄せる。耳が赤い。恥ずかしがっている……。

 ギム爺さんが「入れ入れ!」と言い、リオルが包みを受け取り、台所の方へ運んで行く。

 レンが手伝おうと靴を履こうとすると、バートがぐいっと引き留め、ライナスが来た。

 レンの代わりにジョバンニが行ってくれる。


「ケイトに、まじ怒られた。

 レンをひとりで行かせたのかって。ジョバンニもバートも心配してさ」


「え、そんな心配することなんて。

 ジョバンニは公爵家からなんか話があったんじゃないの?」


「いや、話しはすぐ済んで、役人達はもう引き揚げた。

 まだ早い、もう数年経ってからということになったみたいだ。

 これからも励んで欲しいというくらいだな」


「でも、なんでみんなで?」


「リオルがいるだろ?」


「リオル?」


「のんびり無害そうな奴でも、男は男だ。レンと、その……な」


「は? 男同士だし?」


「いや、その男同士でもだな……。ケイトが気にしてて」


 そこへジョバンニとリオルが大皿にケイトの料理を盛り付けて戻ってきた。


「ごちそうだな。それに賑やかでいいな、リオル」


 ギム爺さんの言葉にリオルは笑顔で答える。


「はい! 楽しいです!」


 ライナスとギム爺さんは酒を飲み始め、リオルも勧められて少しだけ口にした。

 レンはギム爺さんに最初のジョバンニとバートに会ったことがあるかと聞いた。


「おう! あるよ!

 子どもの頃だが……、急に森から現れたんだ。

 ジョバンニの方は……、戦争症とでも言うような……」


「戦争症?」とジョバンニが呟いた。


「人と人との戦いで、命を奪ったり奪われたり。

 そんな環境に長くいると、それが普通になり……。

 戦いの場を離れた後、自分はなんてことをしてたんだろうと気がついて、自分を責めたり、恐怖を感じて、心を病んでしまったり……、かな」


 レンが静かな声で説明した。


「ああ、そうだ。

 バートがそんな兄を支えていた。

 バートに支えられて、良くなったり、ぶり返したりしながら……。

 最終的にジョバンニは立ち直り、魔道具屋をやってたんだが、この村の薬師の女性と一緒になり、バートはそれを見届けると、いなくなった。王都に戻ったと聞いたな」


 ライナスが「バートもジョバンニも魔法使いだったんだろ?」と聞く。


「ああ、すごい魔法使いだった」


「へー、会ってみたかったな」


 ジョバンニが言うと、ギム爺さんが笑った。


「ジョバンニに、今のジョバンニによく似ているよ。

 バートは……、まだよくわからないが、バートに似ている気がする」


 バートが「そうなの?」とレンにくっつきながら言った。


「バートさんに会ったことがあるよ。

 やさしそうなおじいさんだった。『疾風の魔法使い』という二つ名があるくらい有名な魔法使いだよ」


「そうなの?

 レン、会ったことあるの!?」


 バードが驚いて目を丸くした。


「うん、挨拶したくらいだけどね」


「僕に似てた?」


「うーん、ものすごいおじいちゃんだったから、わかんないよ」


 レンの言葉にみんな笑った。

読んで下さり、ありがとうございます。

寝坊して、投稿遅くなりました……。

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