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189 お泊りの準備

どうぞよろしくお願いします。

 荷馬車に乗って、また、工房に戻る。


「……本当にここに泊るの?」


 リオルが恐る恐るという感じで言った。


「迷惑なら外で野営するから、工房の敷地にはいさせて?」


「えっ! いいよ! 家に泊って!! 

 あの、だめとかじゃなくてっ!」


 リオルが言いながら、慌てている。

 レンはその様子を見て笑う。


「こちらこそ押しかけて、了承も取らずに言っちゃってごめん。

 前から、ギム爺さんとはゆっくり話してみたかったし」


「え、師匠と?」


「うん、この村のこと、昔のことも知ってそうじゃない?」


 そうなのだ。

 最初のジョバンニとバートのことを知っているかもしれない。


 リオルが目に見えてしゅんとする。 

 年上の男の人がそんな素振りをするのが、レンにはかわいく思えた。


「……リオルとも話をしたいよ」


「何でも聞いてくれ!」


 リオルが急に元気になるから、レンは笑ってしまう。


「ははっ、リオルはさ、今、いくつなの?」


「俺はたぶん……、27、8……9?


「……はっきりとは覚えていない?」


「ああ、父と母が死んだのが幼い時で、その後しばらく親戚の間をたらい回し? にされてて。

 俺が病気になって、孤児院に引き渡すとかの話になった時に師匠が引き取ってくれたから。

 本当の歳は、わからない……」


「ごめん、辛いことを……」


「いや、いいんだ。

 もう遠い昔のことだから。

 レンは17歳、だっけ?」


「うん、今、17歳。リオルの方が10歳も上だね!」


「そうは、思えない?」


「……うん」


「参ったな。よく言われる」


 そう言いながらぼさぼさっと長めの黒髪をガシガシ片手で掻くリオル。

 カイエンの黒髪とは毛質が違いそうだな……。

 そんなことを思いながら、リオルの髪をぼーっと見るレン。


「……触ってみる?」


「え?」


「いや、髪の毛じっと見てるから」


「えっ、あ、いや、その、ごめん……。

 他の人のことを……。黒髪の他の人のことを思い出してた……」


「……ふーん」


 工房に到着し、コボーのナナがレンの姿を見て立ち上がる。


「ナナ! 今日はここに泊めてもらうよ!」


「レン! 厩の端の所が空いてる。よければそこに鳥を!」


「ありがとう!」


 荷馬車から馬を外して、厩へ進んで行くリオルの後を追って、レンもナナをそちらに連れて行く。

 水を新しくし、収納魔法から餌を出して食べさせる。厩は一頭ずつ仕切られている作りで壁の向こうに馬がいるのだが、それほど気配も感じず、ナナも落ち着けている様子。手綱も外してやった。


「大丈夫そうだね。後でまた、様子を見に来るよ!」


 ナナにそう声を掛けて、リオルと一緒に工房に戻る。


 ギム爺さんが仕事をしていた。

 レンがお礼を言ってから、今夜はここに泊めて欲しいとお願いすると、すんなり了承してくれた。

 工房とは別の建物が住居なのだそう。

 確かに敷地内に、建物もいくつか建っている。家や倉庫のようだ。


 リオルが案内してくれる。

 工房から、まず独立した風呂の建物があった。

 仕事後はそこで身体をきれいにしてから、家に入るのだそう。


「なら、僕が風呂を沸かすよ!」


 レンはリオルに聞きながら、薪の用意を手伝い、火の焚き方を確認する。水は川の水をレバーひとつで引き込めるように工夫されていて、すぐ入れられた。

 

読んで下さり、ありがとうございます。

後日録として書き進めていた部分、長くなってきたので第二部として整えました。

思ってたより長くなってしまい、ばたばたしてすみません。

読みやすくなるといいのですが……。

これからもどうぞよろしくお願いします。

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