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バカと呪いと魔法学園 ~魔法を知らない最優の劣等生~   作者: 出雲大吉
第6章

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222/224

第222話 どうですかねー?


 基礎学を終えると、演習場をあとにし、寮に戻るために皆で丘を登っていく。

 すると、前方から見覚えのある黒髪の女性が降りてきた。

 駅で会ったメラニーさんだ。


「あ、ど、どうも……」


 何故か気まずそうな顔で挨拶をしてくる。

 しかも、泳いだ目で俺とユイカを見比べていた。


「こんにちは。先生になられたんですね」

「え、ええ。特に何かの授業を担当するわけでもないけどね。ミシェルと一緒」


 雑用係か。


「ミシェルさんと仲が良いんです?」

「うーん、どちらかといえば? クロエよりは良いと思う」


 当たり前だが、クロエはイヴェール派だ。

 でも、ラ・フォルジュ派のミシェルさんの方が仲が良いらしい。


「負けたから?」

「そう。あいつ、いつも涼しい顔でバカにしてくるのよね。その点、ミシェルはわかりやすい」


 ミシェルさん、感情がすぐ顔に出るからなぁ……

 年上のねーちゃんだが、可愛らしい人なのだ。

 よく固まってるけど。


「わかります」

「ねー。あ、お昼? どうぞ、どうぞ」


 メラニーさんが笑顔で道を譲ってくれた。


「ありがとうございます。これから何かとお世話になると思いますが、よろしくお願いします」

「こちらこそね。勉強頑張って」

「はーい」


 俺達はメラニーさんと別れ、さらに丘を登っていく。


「ノエルはメラニー先生を知っているのかい?」


 セドリックがノエルに聞く。


「名前だけですね。ラプラスはイヴェール派の中でも上の方ですし」

「ふーん、ところで、なんでツカサとユイカを見て、きょどってたのかな? ツカサはラ・フォルジュだからまあ、わかるんだけど」

「だったらトウコも見ないとおかしくない? あんたら、何かした?」


 イルメラが俺とユイカに聞いてくる。


「駅で会った時じゃないか? 何かしたかな……」

「ツカサが押し倒してたじゃん」


 えー……それで?


「お兄ちゃん、何してんの? レイプ魔の兄とか引くわー」

「助けてやったんだよ。俺が押し倒してなかったらあの人、死んでたぞ」


 感謝して欲しいわ。


「鈍そうな人だったもんね」

「そうそう。あれじゃあクロエには勝てんわ」


 ミシェルさんもだけど……


「武家の人なんですけどね……しかも、優秀な」


 ノエルが苦笑いだ。


「イヴェールはそういうのが多いの? お義姉ちゃんもじゃん」


 いや、さすがにシャルと比べたら随分上だったぞ。


「そういうわけじゃないですよ。あと、異常なのはそちらです」


 トウコね。


「逆にお前ら、ラ・フォルジュ派は武闘派が増えたな」

「双子に加えて、ユキとユイカだもんね。イヴェールも焦るんじゃない?」


 フランクとセドリックは関係ないからって楽しそうだな。


「イヴェールはとっておきの秘策があるから大丈夫よ。会長でツカサを釣れるじゃない」


 イルメラも楽しそうだな。


「逆もありえるけどね……」

「長瀬さんちの家族会議は駆け落ちで決まったけどね」


 その家族会議に長男が参加してないんだが?

 あと、なんで決まるんだ?


「家族が駆け落ちを推奨するのは斬新だな」

「斬新な兄が悪いよ」

「俺も斬新な妹だと思ってる」


 スーパーエリートを自称するバカ。


「斬新兄妹」

「「うるせー」」


 戦闘服も部屋着も中学の体操服のくせに。


 俺達は男子寮と女子寮の分岐点で別れると、寮の食堂で弁当を食べる。

 そして、午後からは授業がないので部屋でゴロゴロしていると、夕方くらいにチャイムがなったので下に降りると、母さんが玄関の扉を開けていた。


「あらー、いらっしゃい」

「こんにちは」

「お邪魔します」


 シャルがいるのだが、何故かクロエもいる。


「ツカサー、シャル……あ、いたんですか」


 俺を呼ぼうとした母さんが階段を降りてきた俺に気付いた。


「勉強があるんだよ。テスト前だから」

「あ、そう……」


 なんでちょっと残念そうなんだ?


「いらっしゃい。クロエもいるんだな」


 シャルに声をかける。


「なんかついてきた」

「こんにちは。暇なので奥様のお手伝いでもしようかと」

「あらー」


 クロエは上がると、母さんと共にリビングに向かった。


「仕事をしない母親だな」


 お手伝いじゃなくて、全任せだろ。


「クロエが好きでやってることよ」

「ふーん。まあ、今日の夕食が良くなるから良いか。じゃあ、上がろう」

「ええ」


 階段を上がっていき、シャルを部屋に招く。


「いやー、平日なのに悪いな」

「そこはいいわよ。本当は先週くらいに話をしたかったんだけど、邪魔なイベントがあったでしょ?」


 シャルはまったく乗り気じゃなかったからな。


「時期を考えて欲しいわ」

「その要望をラ・フォルジュ経由で出したら? きっと運営委員会は夏休みにやるわよ」


 さいてー。


「ロクなことを考えんな」

「ホント、そうよ。でも、私は今年で最後ね。きっと来年も1年だけだし、そうじゃなくても私は生徒会長を辞めているから出ない。体調不良になる予定だから」


 きっと出ないといけなくなるし、生徒会長も辞められないんだろうなー……

 なんかそんな未来が見える。


「シャル、リーダーに向いていると思うけどな」

「全然、向いてないし、やりたくもないわよ。そもそも親しくない人と話すのが苦手だし、好きじゃないの」


 うーん……君、イヴェールの次期当主だよね?

 大丈夫かな?


いつもお読み頂き、ありがとうございます。

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リーダーの資質はあるかもしれんが、引きこもって研究したい陰の者だからなぁw 明るいのは彼氏といる時ぐらいなもんで
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