↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔導国家の魔斬剣士 ~王国最強騎士団をクビになった俺は敵国にヘッドハンティングされました~   作者: 出雲大吉


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

9/22

第009話 新居


 アリアが中に入ったので続く。

 すると、すぐに受付があり、金髪のおばさんが座っていた。


「おかえり。ん? その人は? 同僚?」


 おばさんが俺を見て、首を傾げる。


「そうそう。ウチのチームのリーダーのレオン」

「レオン・ヘルフェリヒです」


 一礼する。


「丁寧な人だね……」

「ヴァルテンブルクで騎士をやっていた人なんだって。すんごく強い!」

「騎士ねー……」


 おばさんがじろじろと見てくる。

 やはり敵国の騎士はマズいだろうか?


「あ、レオン、お母さん」


 アリアがおばさんを指差す。

 どことなく似ているし、やはりそうか。


「ハンナだよ。それでどうしたんだい? 部屋デート?」

「違う、違う。レオンは今日、王都に来たばっかりで部屋を探しているんだって。それでウチを紹介。部屋、空いてるじゃないの」


 んー……


「アリア、俺が探してるのはアパートだぞ。宿屋じゃない」

「ウチがそのアパートなの。昔は宿屋だったけど、良いホテルなんかにお客さんを取られたから改築して、アパートにしたのよ」


 そういうことか。

 宿屋っぽいと思ったが、元宿屋か。


「少し部屋を見せてもらっていいだろうか?」

「どうぞ。アリア、案内してあげな」

「うん。レオン、こっち」


 アリアが2階に上がったのでついていく。


「2階か」

「ええ。1階の奥がウチら家族のスペース。左側に部屋があったでしょ。あそこは食堂。朝、昼、夜に営業してる。別料金で3万ロットかかるけど、朝昼晩の食事も用意できるわよ。別に部屋で食べても良い」


 へー……

 元宿屋を生かしているんだな。


 俺達が2階に上がると、左右に4つずつの扉がある廊下に出た。


「今空いてるのは右手前とその隣。内装は一緒」


 じゃあ、どっちでもいいな。


「手前を見せてくれ」

「どうぞ」


 アリアが扉を開け、中に入ったので俺も続く。

 部屋は何もなかったが、10畳くらいある。日当たりも良さそうだし、奥にはキッチンスペースもある。

 トイレと風呂も確認したが、悪くなさそうだった。


「8万ロットか……」

「あ、食事つきプラン前提なんだ」

「料理を作ったことがない。孤児院と寮だったからな」


 どっちも食堂があり、料理は出た。

 孤児院は量が少なくてひもじかったが。

 ちなみに、前世もない。

 カップラーメンにお湯を入れるだけ。


「どうする? 他を探して、もうちょっと吟味しても良いと思うけど」

「うるさくないんだよな?」

「普通ね。この辺は行政区で、繁華街じゃないから。まあ、それが宿屋が流行らなかった理由なんだけど」


 ちょっとわかる。

 しかし、俺としては職場から近いのが良いな。


「エル、ここに決めても良いと思うんだが、どうだ?」

「良いんじゃね? 問題なさそうだし、食事付きっていうのが良いと思う。外食で栄養が偏るか、無理に料理をして、火事になるのが不安だ」


 栄養はともかく、火事はさすがにないと信じたい。

 でもまあ、エルは賛成か。


「アリア、ここにしようと思う」


 そう言って、財布から8万ロットを出し、アリアに渡す。


「どうもー。こっちでいい? 隣も空いてるけど」

「こっちでいい」


 どっちでもいいし。


「じゃあ、ここね。朝食は6時から9時、昼食は11時から14時。夕食は17時から20時までだから。時間外は別途料金ね。あと食べなくても料金は固定。あ、それと仕事の日はお弁当も作れるわ」


 サービスが良いな。


「弁当は頼みたい」

「了解。お母さんに伝えておく。あ、それとだけど、休みの日や夜は部屋で食べることが多くなると思う。お客さんが多いから」


 それはそうか。


「わかった。すまんが、どこか剣を振れるところがないだろうか? 朝、素振りをするのが日課なんだ」

「あー、騎士様だもんね。中庭を使っていいわよ。受付の横に通路があったでしょ? あれが私らの住居に繋がる通路なんだけど、そこの途中で中庭に出られるわ」


 受付の右側にはあったな。

 左側がここに上がる階段。


「助かる」

「いーえ。あ、買い物とか行く? 案内できるけど」

「いや、家具なんかは持ってきてる」

「ん? え? もしかして、魔法のカバン持ち?」


 アリアが肩にかけているカバンを見る。


「ああ。高かったけど、買ったんだ」

「へー……あなた、結構、給料をもらってたのね。さすがは騎士様」


 他に使うのは魔導書くらいだったからな。


「こういうのが好きなんだよ」

「ふーん……じゃあ、大丈夫そうね。何かあったら下にいるお母さんに言って」

「ありがとう」

「ごゆっくりー」


 アリアが手を上げ、部屋から出ていった。


「良い子だな」

「上手くやれそうな同僚で良かったじゃねーか」


 まったくな。


「ああ。よし、やるか」


 魔法のカバンからベッドや本棚、テーブルといった大物を取り出した。

 力には自信があるし、楽々配置すると、大量の魔導書を取り出し、本棚に入れていく。

 すると、ノックの音が聞こえてきた。


『レオンー? いるー? 入っていい?』


 アリアの声だ。


「大丈夫だ」


 そう答えると、扉が開き、アリアが入ってきた。

 アリアの手には巻かれた紙がある。


「おっ、良い感じになってるわね。というか、すごい本の量じゃないの。あなた、読書家なの?」


 アリアが部屋を見回しながら聞いてくる。

 壁はほぼ本棚で埋まっており、それが入る本が床に置かれているのだ。


「魔導書だ。趣味なんだよ」

「へ、へー……これ、全部?」

「九割九分な」


 一応、小説もある。


「すごいわね……本職の私より持ってるじゃないの」

「10年以上かけて、集めたんだ」

「ヴァルテンブルクでしょ? あっちはそんなにないと思うけど……ん? これ、大魔女グレースの魔導書じゃないの。めっちゃレアよ?」


 アリアが本棚から一冊の本を取った。


「王都の古本屋や地方に行った時に買ったりだな。国境沿いには結構あるんだ。あとは知り合いの行商人に頼んだりもした」

「本当に好きなのね……おっ、大魔導士アーサーの本まである。お宝を持ってるわねー」

「一番のレアはそこで飛んでる本だな」


 そう言うと、アリアがエルを見る。


「まあね……しかし、すごいわ。見たことない本も多い」

「読みたかったら読んでいいぞ」

「いいの?」

「別に読むくらいならな」


 減るもんじゃないし。


「どうもー」

「代わりといったらなんだが、本屋の場所を教えてくれよ」

「あ、そうそう、その話。地図を持ってきたわよ」


 アリアが巻かれた紙をテーブルに置く。


「助かる」

「ちょっと説明するわ」


 アリアがそう言うので手を止め、席についた。


お読み頂き、ありがとうございます。

この作品を『おもしろかった!』、『続きが気になる!』と思ってくださった方はブックマーク登録や↓の『☆☆☆☆☆』を『★★★★★』に評価して下さると執筆の励みになります。


よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【予約受付中】
~書籍~
10/20(火)発売予定
週末のんびり異世界冒険譚 ~神様と楽しむ自由気ままな観光とグルメ旅行~(3)

11/14(土)発売予定
魔法なき世界の異端魔導士 ~冤罪で捕まりかけた大魔導士は異世界で自由気ままに旅をします~(1)

11/30(月)発売予定
宮廷錬金術師の自由気ままな異世界旅 ~うっかりエリクサーを作ったら捕まりかけたので他国に逃げます~(2)

12/10(木)発売予定
左遷錬金術師の辺境暮らし 元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました(5)


~漫画
12/8(火)発売予定
その子供、伝説の剣聖につき(2)

12/11(金)発売予定
左遷錬金術師の辺境暮らし 元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました(2)

【現在連載中の作品】
終末世界の帰還錬金術師 ~日本に戻ったら人類と悪魔が戦争をしていましたが、異世界で勇者になれなかった俺達はスルーして適当に生きたいと思います~

スマホ転移で始める異世界ゆるゆる生活 ~日本の商品が高値で売れたのでスローライフを目指すことにしました~

魔法なき世界の異端魔導士 ~冤罪で捕まりかけた大魔導士は異世界で自由気ままに人生をやり直すことにしました~

元暗部の英雄、再び暗躍する ~娘のために正体を隠して無双していたら有名になっちゃいました~

宮廷錬金術師の自由気ままな異世界旅 ~うっかりエリクサーを作ったら捕まりかけたので他国に逃げます~

その子供、伝説の剣聖につき (カクヨムネクスト)

週末のんびり異世界冒険譚 ~神様と楽しむ自由気ままな観光とグルメ旅行~

左遷錬金術師の辺境暮らし ~元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました~

35歳独身山田、異世界村に理想のセカンドハウスを作りたい ~異世界と現実のいいとこどりライフ~

― 新着の感想 ―
更新プリーーーーーズ
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。