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ぐうたら三男は古代魔語で悠々自適生活を目指す  作者: シロネル
2章

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第五十四話 ぐうたら三男、仮面の男を逃がす

『……計画修正』


 仮面の男が静かに呟く。


 その瞬間。


 崩壊する巨大侵食体の残骸が一斉に黒い魔素へ変換された。


「うわっ!?」


 レイが顔をしかめる。


 魔素濃度が急上昇する。


 視界が黒く染まりかけた。


『侵食回収を開始』


「自爆処理付きかよ!」


 仮面の男の周囲へ黒い術式が展開される。


 巨大侵食体の崩壊魔素を吸収していた。


 セシリアが即座に反応する。


「逃がしません!」


『雷閃槍』


 高圧縮雷撃。


 一直線。


 仮面の男へ突き刺さる。


 だが。


 黒い障壁が受け止めた。


 轟音。


 地下広間が揺れる。


『高出力魔術を確認』


「だから感想を言うなと言っているでしょう!!」


 セシリアが完全にキレていた。


 珍しい。


 かなり珍しい。


 レイは若干引いた。


「セシリア怖……」


「誰のせいだと思っているんですか!」


「俺?」


「半分くらい!」


 理不尽である。


 その時。


 仮面の男の周囲空間が歪み始めた。


「転移!?」


 アルベルトが叫ぶ。


「まずい、逃げる気だ!」


「させるか!」


 レイは右手を振る。


『空間固定』


 青白い術式が地下広間を覆う。


 転移阻害。


 通常なら完全封鎖できる。


 だが。


 仮面の男は静かにこちらを見る。


『管理領域干渉を確認』


 黒い術式が広がる。


 空間固定が軋んだ。


「うわ突破してくる!」


 管理権限同士。


 単純封鎖では止めきれない。


『継承者』


「だからその呼び方やめろ!」


『次はお前自身が選択する』


「意味深やめろ!」


 仮面の男の身体が黒い魔素へ溶け始める。


 レイは舌打ちした。


「アリア!」


『はい、レイ』


「転移先追えるか!?」


『追跡困難です』


「だよなぁ!」


 管理系統同士だからこそ逃走性能も高い。


 その瞬間。


 セシリアがさらに巨大魔法陣を展開した。


『雷光収束陣』


「セシリア!?」


「最低でも一撃入れます!」


 本気だった。


 空中多重魔法陣。


 王国宮廷魔導士筆頭。


 最大火力。


 轟ォォォッ!!


 極大雷撃が仮面の男を呑み込む。


 地下広間が白く染まった。


 だが。


 黒い霧が散るだけ。


 完全消滅はしない。


『損傷率上昇を確認』


 仮面の男の声が僅かに乱れる。


 それでも。


 消えない。


「硬っ……」


 レイは引いた。


 すると。


 仮面の男は最後にレイを見る。


『管理者は一人では足りない』


「いらんわ!」


『また会おう、継承者』


「会いたくねぇ!」


 次の瞬間。


 黒い魔素が弾けた。


 仮面の男の姿が消える。


 静寂。


 地下広間へ残ったのは。


 崩壊した侵食体。


 砕けた封印区画。


 そして大量の残留魔素だった。


「……逃げられた」


 セシリアが悔しそうに呟く。


 レイは盛大にため息を吐いた。


「はぁぁぁ……」


 本当に疲れた。


 心底疲れた。


 アルベルトが周囲を見回す。


「だが侵食反応は急速に低下している」


「核破壊成功ってことか」


『侵食領域崩壊を確認』


 アリアの声が響く。


『王城地下の侵食反応は沈静化しています』


「やっと終わった……」


 レイはその場へ座り込みかけた。


 だが。


 次の瞬間。


 天井がミシミシと音を立てる。


「……ん?」


 セシリアの顔色が変わった。


「まさか」


 アルベルトが青ざめる。


「地下構造が限界だ!」


 レイは天井を見上げ。


 そして静かに言った。


「……帰りたい」

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