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ぐうたら三男は古代魔語で悠々自適生活を目指す  作者: シロネル
2章

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第四十七話 ぐうたら三男、管理権限を奪われたくない

『侵食領域展開』


 黒い術式が地下広間を覆う。


 空気が重くなる。


 石壁が軋み。


 床から黒い魔素が滲み出した。


「っ……!」


 近衛騎士たちが膝をつく。


「魔素が……乱れる……!」


「息苦しい……!」


 侵食領域。


 ただ存在するだけで周囲を書き換える類だ。


 かなりまずい。


「うわほんと面倒……」


 レイは露骨に嫌そうな顔をした。


 だが。


 仮面の男は止まらない。


『管理権限奪取を開始します』


「だから嫌だって言ってんだろ!」


 レイが右手を振る。


 青白い術式展開。


『領域固定』


 瞬間。


 黒い侵食領域と青白い術式が激突した。


 ゴォォォ……!!


 地下空間が震える。


 侵食と管理。


 権限同士の衝突。


「うわ、うるさっ」


 耳鳴りが酷い。


 だが。


 拮抗している。


 仮面の男が僅かに顔を傾けた。


『高適合』


「褒められても嬉しくない」


『やはり必要だ』


「何がだよ」


『統合管理者』


 嫌な単語だった。


 レイは顔をしかめる。


「絶対なりたくねぇ……」


 その時。


 侵食領域の余波が騎士側へ流れた。


「ぐっ!?」


 一人の騎士が侵食魔素を浴びる。


 皮膚が黒く変色しかけた。


「まずっ」


 レイは即座に術式変更。


『浄化』


 青白い光が騎士を包む。


 侵食が消えていく。


「た、助かった……」


「後ろ下がってろ!」


 レイは叫ぶ。


 この領域内では普通の騎士は危険すぎる。


 セシリアも即座に動いた。


「全員後退! 防御陣形維持!」


 宮廷魔導士として冷静だった。


 複数魔法陣展開。


『広域防護』


 光膜が騎士たちを包む。


 アルベルトも補助へ入る。


『魔素安定化』


 杖型魔導具から淡い光が広がった。


「教授、普通に一流じゃん」


「研究者だからね」


「その理屈ほんとなんなの」


 エミリーは避難民誘導を続けている。


「こちらへ! 急いでください!」


 混乱の中でも冷静だった。


 レイは少しだけ安心する。


 そして。


 再び仮面の男へ向き直った。


「で?」


「お前何者」


 仮面の男は静かに答える。


『旧文明管理補佐機構』


「また長い名前来た」


『識別コードは消失』


「壊れてんじゃん」


『現在は侵食側へ移行』


「転職感覚で世界滅ぼすな」


 仮面の男は淡々としている。


 感情が薄い。


 だが。


 だからこそ怖い。


『継承者』


『お前は理解しているはずだ』


「何を」


『世界は限界だ』


 黒い魔素が脈動する。


『維持だけでは滅ぶ』


 レイは黙る。


 古代文明。


 崩壊。


 侵食。


 確かに世界は壊れかけている。


 だが。


「だからって壊して作り直すのは却下」


『非合理』


「合理とか知らん」


 レイは右手を構えた。


 青白い古代術式が幾重にも展開する。


『遮断』

『固定』

『侵食分離』


 地下広間の黒い魔素が切り離されていく。


 仮面の男が初めて反応した。


『……権限操作精度上昇確認』


「勝手に成長判定するな」


 レイ自身も若干引いていた。


 慣れてきている。


 嫌な方向に。


 その瞬間。


 仮面の男の背後。


 空間が裂けた。


 黒い穴。


 そこから大量の侵食個体が現れる。


「うわ増援!」


『排除を開始します』


「だから物騒なんだよ!」


 十。


 二十。


 三十。


 地下広間が黒い魔物で埋まり始める。


 騎士たちの顔が青ざめた。


 だが。


 レイはもっと嫌そうな顔をしていた。


「……仕事量増えた」

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