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ぐうたら三男は古代魔語で悠々自適生活を目指す  作者: シロネル
2章

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第四十六話 ぐうたら三男、王家の封印区画を開ける羽目になる

 バキィッ――!!


 封印扉へ大きな亀裂が走る。


 黒い魔素が噴き出した。


「うわ漏れてる漏れてる!」


 レイが思わず後退する。


 周囲の騎士たちも顔を引きつらせた。


 王家封鎖区画。


 本来なら最高位封印術式で閉ざされている場所だ。


 それが今、内側から破壊されようとしている。


「封印維持班、後退しろ!」


 近衛騎士が怒鳴る。


 だが術者たちも限界だった。


 魔法陣が明滅している。


「もう保ちません!」


 セシリアが舌打ちした。


「侵食が封印術式を食っています……!」


「嫌すぎる仕様だな」


 レイは頭を抱える。


 すると脳内へ球体の声。


『封鎖扉完全崩壊予測、48秒』


「カウント始めるな!」


『緊急対応を推奨』


「はいはい!」


 本当に休ませてほしい。


 だが。


 崩壊すればもっと面倒になる。


 レイは嫌そうに封印扉を見る。


「……中にいるの、侵食個体じゃないな」


 空気が違う。


 圧力がある。


 地下水路の黒い巨人よりさらに濃い。


「レイ殿?」


「たぶん“核”に近い何か」


 セシリアの顔が険しくなった。


「それは……」


「つまり最悪」


 簡潔だった。


 その時。


 再び扉が揺れる。


 ドゴォン!!


 巨大な衝撃。


 亀裂がさらに広がった。


 黒い手が隙間から伸びる。


「うわ出てきた」


 しかも。


 その手には文字が刻まれていた。


 青白い。


 古代魔語。


 正確には。


 日本語。


「……は?」


 レイの顔から表情が消える。


 その文字は。


【管理権限接続】


 だった。


「おいおいおい……」


 嫌な予感が加速する。


 侵食側。


 管理権限。


 つまり。


「向こうも管理者系統かよ……」


『高確率で旧文明管理機構由来』


「知ってたけど認めたくなかった!」


 その瞬間。


 封印扉が内側から吹き飛んだ。


 轟ッ!!


「全員伏せろ!」


 レイが叫ぶ。


 爆風。


 黒い魔素。


 石片。


 地下広間が揺れる。


 そして。


 扉の奥から。


 “それ”が現れた。


 人型だった。


 白いローブ。


 痩せた身体。


 顔は黒い仮面で覆われている。


 だが。


 右手。


 そこに刻まれた紋様。


 レイと同系統だった。


「……うわぁ」


 レイは本気で嫌そうな声を出した。


 相手はゆっくりとこちらを見る。


 仮面奥の視線。


 そして。


『継承者候補を確認』


 日本語。


 機械音声のような声。


 周囲には意味不明な音にしか聞こえない。


 だがレイにはわかる。


「候補?」


『管理権限適合個体』


 仮面の男が一歩前へ出る。


 黒い魔素が周囲を侵食する。


『権限移譲を要求』


「嫌です」


 即答だった。


 仮面の男が止まる。


『……拒否確認』


「なんで渡す前提なんだよ」


『世界維持機構は失敗した』


「またその思想か」


『旧世界は停滞し滅びた』


 レイは顔をしかめる。


 黒い巨人と同じ。


 いや。


 もっと理性的だ。


 だからこそ厄介。


『ゆえに更新が必要』


「その更新って侵食だろ?」


『最適化だ』


「言い換えても最低だからな?」


 周囲の騎士たちは困惑していた。


「な、何を話している……?」


「言語がわからん……!」


 セシリアだけはレイの表情を見ていた。


「……レイ殿」


「かなり面倒な相手」


 本音だった。


 すると。


 仮面の男が右手を上げる。


 瞬間。


 広間全体へ黒い術式が広がった。


『侵食領域展開』


「うわ絶対やばいやつ!」


 黒い魔素が一気に膨張する。


 騎士たちが息を呑む。


 空気そのものが侵食されていく。


『管理権限奪取を開始します』


「だから嫌だって言ってんだろ!」

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