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ぐうたら三男は古代魔語で悠々自適生活を目指す  作者: シロネル
2章

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第四十一話 ぐうたら三男、雑に王都を吹き飛ばされたくない

『壊してみろ』


『王都ごと吹き飛ぶぞ』


 最悪の脅しだった。


 レイは黒い巨人を睨みつける。


「人質ってわけか」


 侵食核。


 地下地脈へ直結。


 雑に破壊すれば王都地下の魔素循環が暴走する。


 つまり。


 大爆発。


「ほんと碌でもねぇ……」


 セシリアが険しい顔になる。


「どうしました?」


「核が地脈に繋がってる」


「……っ」


 それだけで十分伝わった。


 宮廷魔導士である彼女は、地脈暴走の危険性を理解している。


「破壊は危険ですね」


「非常に」


 黒い巨人が歪に笑う。


『理解したか』


「嬉しそうだな」


『お前は壊せない』


 レイは盛大にため息を吐いた。


「はいはい、優しいので」


 本当に面倒だった。


 普通に消し飛ばすだけなら簡単だ。


 だが。


 被害が大きすぎる。


『継承者は世界を維持する側だ』


「その設定まだ受け入れてないからな?」


 黒い巨人はゆっくり腕を広げる。


 黒い魔素が地下水路中へ広がった。


「うわ増やすな」


『侵食進行率上昇』


 球体が淡々と告げる。


『王都北東区域汚染率12%』


「数字にされると嫌だな!?」


 その瞬間。


 地下水路奥から悲鳴が響いた。


「きゃあああっ!!」


 レイの表情が変わる。


「一般人!?」


 逃げ遅れか。


 黒い魔素が流れ込んだ別通路から声がする。


 セシリアが即座に反応した。


「私が向かいます!」


「頼む!」


 アルベルトもすぐに動いた。


「エミリー君、救助を優先する!」


「はい!」


 セシリアが高速詠唱を開始する。


 複数魔法陣展開。


『光槍連射』


 無数の光弾が侵食個体群を撃ち抜く。


 轟音。


 爆発。


 地下水路が閃光に染まった。


「相変わらず火力高いな……」


「宮廷魔導士ですので」


 アルベルトも杖型魔導具を起動する。


 複雑な魔法陣が展開。


『拘束網』


 青白い魔力網が侵食個体を絡め取った。


「おお、先生も普通に強い」


「研究者だからね」


「絶対そのレベルじゃない」


 エミリーが補助魔法を展開しながら苦笑する。


「レイ様、こちらは任せます!」


「押し付けられた!?」


 セシリア、エミリー、アルベルトの三人は別通路へ駆けていく。


 残されたのはレイと黒い巨人。


 そして。


 大量の侵食魔素。


『継承者』


 黒い巨人が低く笑う。


『お前は選ばなければならない』


「だからその台詞やめろ」


『維持か』


 黒い魔素が脈動する。


『変革か』


「どっちも嫌なんだが?」


 本音だった。


 レイはのんびり暮らしたいだけである。


 世界運営とか知ったことではない。


 だが。


 黒い巨人は止まらない。


『古代文明は維持を選び』


『滅んだ』


 レイの目が細くなる。


「……」


『この世界は壊れている』


『だから作り直す』


 その言葉。


 狂気だった。


 だが同時に。


 どこか理屈めいていた。


「それで侵食実験か」


『必要な淘汰だ』


「最悪の思想だな」


 レイは静かに右手を上げる。


 青白い古代魔語が展開した。


『隔離』


 地下水路全体が発光する。


 次の瞬間。


 黒い巨人の周囲空間が切り離された。


『……なに?』


 黒い巨人が初めて動揺する。


 レイは淡々と言った。


「核だけ壊せないなら、地脈から切り離せばいい」


『……っ』


「管理権限の応用って便利だな」


 レイ自身もちょっと引いていた。


 だが。


 効果は絶大だった。


 侵食核と地脈接続が切れる。


『接続遮断を確認』


 球体が即座に報告する。


『王都崩壊危険度低下』


「よし」


 レイは黒い巨人へ向き直った。


 右手をかざす。


『切断』


 青白い閃光。


 空間ごと断ち切る一撃。


 次の瞬間。


 侵食核が真っ二つになった。


 ズバァッ!!

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