表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ぐうたら三男は古代魔語で悠々自適生活を目指す  作者: シロネル
2章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

37/112

第三十七話 ぐうたら三男、世界の重さにうんざりする

『どうか、この世界を壊さないでください』


 静かな声だった。


 感情は薄い。


 だが。


 その言葉だけは異様に重かった。


「……は?」


 レイは眉をひそめる。


「いや待て」


 情報量が多すぎる。


 古代文明。


 管理施設。


 管理AI。


 その上で。


 “世界を壊す”などという単語。


「俺、そんな危険人物扱い?」


『継承者は世界基盤へ直接干渉可能です』


「さらっと怖いこと言うな」


 アリアは淡々としていた。


『現在、継承率45%』


「まだ進んでるの!?」


『停止要請を受理できません』


「クソ仕様!」


 レイは頭を抱えた。


 エミリーたちは、レイが誰かと会話していることしかわからない。


「レイ様、何を言われているんですか?」


「世界壊せる側らしい」


「はい?」


 セシリアが真顔になる。


「冗談ではなく?」


「俺も冗談であってほしい」


 アルベルトが静かに水晶を見る。


「……この施設、そこまで危険なのか」


 レイは少し悩み。


 そして答えた。


「たぶん王都どころじゃない」


 空気が変わる。


「中央地脈制御施設ってことは、この国全体に干渉できる可能性がある」


「っ……」


 セシリアが息を呑む。


「そんなものが地下に……」


「しかもたぶん現役」


 最悪だった。


 アリアが静かに続ける。


『本施設は大陸中央地脈安定化補助システムです』


「規模がデカすぎる」


『世界維持機構の一部』


「世界単位!?」


 レイは叫んだ。


 もう嫌だった。


 本当に帰りたい。


『古代文明崩壊後、管理権限喪失』


『現在まで最低維持運転を継続』


「一七〇〇年ずっと?」


『肯定』


「働かせすぎだろ……」


 レイは本気で同情した。


 ブラックどころではない。


 文明滅亡後も無人運営。


 狂気である。


 すると。


 アリアがレイを見つめる。


『継承者は適合率が極めて高い』


「嬉しくない」


『旧管理者群との適性一致率97.2%』


「嫌すぎる」


 つまり。


 古代文明側から見れば、レイは完全に“後継者候補”だった。


 日本語理解。


 術式適性。


 管理権限。


 全部条件一致。


「転生しただけなんだが?」


『詳細不明』


「だろうな」


 その時。


 水晶の一部が赤く点滅した。


 ピコン――。


『侵食反応再上昇』


 レイの顔が真面目になる。


「またか」


『外部管理権限による干渉を確認』


「……黒幕」


 アリアが初めて少しだけ表情を変えた。


『旧管理者権限の不正使用を確認しています』


 レイは目を細める。


「旧管理者?」


『現在侵食を行っている個体は、旧時代管理権限保有者の可能性が高い』


 沈黙。


 つまり。


「……古代文明関係者?」


『推定』


 レイは深く息を吐いた。


 転生者。


 ではない可能性。


 あるいは。


 古代文明時代から生き延びている存在。


「最悪だな」


『肯定』


「そこは否定しろよ」


 するとアリアは続ける。


『現在、中枢侵食率13%』


『このまま侵食が進行した場合、地脈暴走確率上昇』


「ちなみに暴走したら?」


『アルデバラン王国消滅確率72%』


「重い!!」


 レイが叫ぶ。


 セシリアたちは意味はわからないが、レイの反応だけで十分察した。


「レイ様」


 エミリーが静かに呼ぶ。


「……かなり危険なんですね?」


「非常に」


 本気だった。


 レイは頭を掻く。


 完全に巻き込まれている。


 だが。


 放置はできない。


 何より。


 このままではゴールド地方も消える。


「……はぁ」


 盛大なため息。


「なんで俺がこんなことに」


『継承者であるため』


「その設定まだ受け入れてないからな?」


 アリアは静かに一礼した。


『ご安心ください』


「嫌な前振り」


『継承完了後、業務量は適切に分配されます』


「仕事増える前提!?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ