表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ぐうたら三男は古代魔語で悠々自適生活を目指す  作者: シロネル
1章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

14/110

第十四話 ぐうたら三男、ロボと戦う

ゴォォォォン!!


 対魔導戦闘兵器・零式が踏み込む。


 その瞬間、床が砕けた。


「速っ!?」


 エミリーが驚愕する。


 巨体に似合わない速度。


 しかも動きに無駄がない。


 完全に戦闘用。


 零式の腕部が変形する。


 ガコンッ!!


 内部から展開されたのは巨大な刃。


 魔素光を纏った高熱振動剣。


「うわ完全に近接形態まである!」


「感動してる場合ですか!?」


 次の瞬間。


 ズガァァァン!!


 振り下ろされた斬撃をレイが躱す。


 通路が真っ二つになった。


 遺跡が悲鳴を上げる。


「威力バカだろこれ!」


『当然だ』


 男の声が響く。


『古代文明の対軍用兵器だからな』


「説明ありがとう!」


 レイは瓦礫を蹴って跳躍した。


 そのまま零式の頭部へ向けて魔法陣を展開。


『貫通』


 青白い光槍が放たれる。


 だが。


 バチィィィン!!


 零式の周囲へ展開された障壁がそれを弾いた。


「硬っ!?」


『当然だ』


「二回目!」


 零式が拳を叩き込む。


 レイは防御魔法を展開。


 ドゴォォン!!


 衝撃波。


 防壁ごと吹き飛ばされた。


「レイ様!?」


「いってぇ!」


 壁へ激突しながらレイが叫ぶ。


 エミリーは青ざめた。


 今のはまともに食らえば即死級。


 だがレイは普通に立ち上がる。


「……やっぱ楽しいなこれ」


「本当に戦闘狂じゃないですか」


「違う」


 レイは真顔で言った。


「男のロマン」


「同じです」


 その時。


 零式の胸部が再び展開する。


 青白い魔素が収束。


 高出力砲撃。


『主砲発射』


「またそれ!?」


 極太光線が放たれる。


 レイは右手を前へ出した。


『分割』


 瞬間。


 光線が真っ二つに裂けた。


 左右へ逸れた砲撃が通路を吹き飛ばす。


 エミリーが呆然とする。


「砲撃切った……」


「理論上はいける」


「理論どうなってるんですか」


 レイは零式を見上げた。


 強い。


 間違いなく。


 これまで戦った相手とは別格だ。


 単純火力。


 装甲。


 学習能力。


 そして対魔術防壁。


 普通の魔術師なら勝負にもならない。


「……でも」


 レイはニヤリと笑う。


「古代魔語使い相手に、“術式”で戦ったのが失敗だ」


 零式が動きを止める。


 男の声が低くなる。


『何?』


 レイはゆっくり指を鳴らした。


『接続』


 瞬間。


 零式全体へ青白い古代魔語が走った。


『警告』


『外部干渉』


『管理権限侵入――』


 男の声が変わる。


『なっ!?』


 レイは笑った。


「お前、システム理解はしてる。でも根本が甘い」


『馬鹿な……!』


「古代魔語は“言葉”だ」


 レイの瞳が青白く光る。


「読めるだけじゃ意味がない。“意味を理解して使う”んだよ」


 次の瞬間。


 零式の動きが止まった。


 完全停止。


 通路へ静寂が落ちる。


 エミリーがぽかんと口を開けた。


「……乗っ取ったんですか?」


「うん」


「うん、じゃないんです」


 レイは零式の装甲を軽く叩く。


「いやー男の子の夢詰まってんなこれ」


「敵兵器ですよ?」


「ちょっと欲しい」


「ダメです」


 その時。


 通路奥から魔素反応。


 レイの顔から笑みが消える。


「逃げる気か」


『……チッ』


 男の舌打ちが響く。


『やはり危険だな、お前は』


「褒め言葉?」


『次は殺す』


「やれるもんならどうぞ」


 ブツッ。


 通信が切れる。


 同時に。


 零式の目から光が消えた。


 完全停止。


 エミリーが静かに息を吐く。


「終わりましたか?」


「いや」


 レイは奥を見つめる。


「まだ本体がいる」


 しかも。


 かなり厄介な相手だ。


 古代魔語を理解し。


 古代文明技術を扱い。


 目的のためなら人体実験すら躊躇わない。


「レイ様」


「ん?」


「顔怖いです」


 レイは少しだけ驚いた。


 自覚がなかった。


 だが確かに。


 今の彼は珍しく怒っていた。


「……まあな」


 レイは零式へ視線を戻す。


「せっかくの技術を、あんな使い方しやがって」


 その声には。


 静かな怒気が滲んでいた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ