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「謙信の甥に転生! 龍馬の日本を戦国から始める」  作者: 27Be


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第325話 1541年 11歳 博多を攻略出来るかな(3 大内義隆、ついに博多へ報復する)

<緊迫!大内家の反撃>


上杉龍義が琉球王国を間接支配した事により、大内家の琉球王国を通しての明との取引は崩壊した。


なぜなら、商人は上杉龍義を通せば、琉球王国の税がかからず明との取引が出来るからである。


大内義隆は、大内家の支配する博多で、越後の舟を出入り差し止めにした。


すると上杉龍義は、事もあろうに大内家配下の毛利元就と軍事同盟を結び、逆に毛利元就が大内家に攻め込むよう指示しているとのこと。


そればかりか、大内家と長年敵対していた大友家と上杉龍義は手を結び、博多にある大内家の砦を占拠したとのこと。


最初の内は、上杉龍義が子供の頃から自分に挨拶に来ていたのだから、上杉龍義が平謝りできたら許してやろうかと思っていた。


色々言葉もかけてやり、可愛がっていたが、裏切られた気持ちである。


しかし、毛利元就の離反工作と博多の占拠で、大内義隆の堪忍袋の緒は切れた。


これだけの事をされているので、大内義隆は激怒である。


三つの策を打つ。


一つは、幕府に上杉龍義の無法を訴えること。


そのため、人を将軍家に派遣した。


二つ目は、陶隆房を毛利に派遣したこと。


陶隆房は毛利元就と仲が良いので、越後との軍事同盟を破棄か反故にさせてこいと指示した。


三つ目は、内藤興盛を博多に派遣し、博多の大内邸を取り返してこいと指示したことである。


一方、旧大内家の独房に捕らえられている大内家指揮官の弘中が、頭を抱え、牢内を歩き回っていた。


うまくすれば捕虜交換で自分の家族と再会は出来るだろうが、弘中の出世の道は絶たれる。


牢から出られなければ、このまま死ぬだけだ。


弘中は出世欲が強く、半年前にやっと指揮官に出世したばかりだった。


弘中(俺ってば何とついていない人生なんだ。俺は運がない男なんだ……)


弘中の苦悩を知らず、看守が会話する。


看守A「聞いたか? 大友様の怪我が酷くて、領地に帰るそうだぞ」


看守B「ここが片付いてからだから、二十日後だそうだぞ」


看守A「うわー大変だな、大友様も。そういや長尾家も琉球王国へ十日後に行くそうだぞ」


看守B「大内家も大変だけど、長尾家は大変だよな。琉球の後、蝦夷地に行くのだってさ」


看守A「南の果てから北の果てかーー嫌だねーー」


看守Bが牢獄の弘中達を見る。


看守B「お前達は良かったな、北にも南にも行かなくて、ずーーっとこのままここに居られてな。ハッハッハッハッ」


弘中が唇を噛み締める。


真夜中、弘中の牢の扉が開く音がする。


弘中が驚いて扉を見ると、神屋寿禎の番頭だった男がいた。


弘中と番頭は旧知の仲だ。


番頭が弘中に大友家の奇襲を伝えたのだ。


弘中が喋ろうとすると、番頭が唇に人差し指を立てたので、弘中は頷く。


番頭「ここから出る手引きをします。ついてきて下さい」


弘中はうんうんと頷き、同部屋の三人の部下も同行させる。


番頭と弘中と部下三人。


合計五人の脱出劇となる。


勝手知ったる大内家の砦。


人気の無い所に入り、五人は外に出る。


五人は二十メートルほど走った所で、弘中が番頭を見る。


弘中「おい、これはどういう事だ?」


番頭「大友家に旧知の人間がいまして、出してくれたんでさ。私もこのままだと浮かばれないので、弘中様のお力にすがりたいのです」


弘中「俺も領地に帰らないと助けてやれない。手立てはあるのか?」


番頭「この先に漁船を借りてます。大柄な漁師だからすぐわかります。急ぎましょう」


弘中「よし、急ごう」


後ろが騒がしくなった。


バレたようだ。


弘中「急ぐぞ」


後ろから犬と追っ手の声が聞こえる。


弓矢が飛んできた。


五人は我先へと急ぐ。


ぎゃっと声がして、弘中が後ろを向くと番頭が倒れていた。


戻って助けるわけにもいかない。


弘中はスマンと呟き、先を急ぐ。


四人が命からがら漁船に着いた。


漁師「話は聞いている。五百文くれ」


弘中が怒鳴る。


弘中「そんな場合じゃない。そうだ、三田尻に着いたら八百文やるから、とにかく出発してくれ」


漁師「わかった」


そう言って、弘中一行は命からがら博多港を出て、三田尻に向かった。


四日後、三田尻に着いた弘中は漁師に八百文を渡し、大内館を目指す。


弘中達は内藤興盛に会い、看守の会話を伝えた。


十五日後には大友義鑑が一旦領地に帰り、交代の部隊が来る事。


五日後には長尾家が琉球王国に向けて出発すること。


そして戦場では長尾家が震天雷と火油雷を使い、大内家はこれで被害を受けた事を報告した。


内藤興盛は副官に、震天雷と火油雷を作るよう言う。


副官は弘中から話を聞き、陶器に火薬と鉄片を入れた物と、陶器に火薬と植物油を入れた物をとりあえず二十個作った。


副官は内藤興盛に実験の成果を見せた。


陶器に火薬と鉄片を入れた物を爆発させたら、藁で出来たカカシは吹き飛んだ。


焚き火の近くで陶器に火薬と植物油を入れた物を爆発させたら、燃え広がった。


内藤興盛は副官を褒めた。


内藤興盛の作戦は、大友義鑑が領地に帰って交代が来る前の日、つまり旧大内家の守備兵数が少なくなる日を狙い、奇襲をすることにする。


大内海軍の五十隻に二千人載せ、兵士千九百人、船員百人程度にして陸戦中心の編成にする。


慣れ親しんだ博多港に五十隻が入り、兵士を降ろし、兵は明け方に旧大内家を奇襲する。


元の所有者だけに弱点もわかる。


ハシゴ等の攻城兵器も積み、素早く占拠する。


弘中の話だと捕虜もいるので、解放すれば即、大内家の戦力となる。


<危機!博多港の罠>


決行日の明け方。


五十隻の大内家の舟は、次々と博多港に入る。


旗艦は一番最初に入港して、兵士や内藤興盛を降ろす。


最低限の兵数だけ残す。


五隻は警戒用として残す。


兵士千九百人が、旧大内家の前まで来た。


船は旗艦や大きい船だけ人を残し、乗組員を陸戦要員として連れて行く。


旧大内邸は、夜警の篝火だけが揺れていた。


港町の博多でも、この時間は人影が少ない。


内藤興盛が旧大内家の前に列を組み、裏門にも人を回す。


内藤興盛が号令をかけようとした矢先、後方から法螺貝と鐘が鳴る。


旧大内家にも松明がいくつも灯り、大勢の大友家の軍が出てきた。


後方からは長尾軍の半弓が一斉に鳴った。


矢は闇を裂き、内藤軍の背に突き刺さる。


内藤興盛(罠だったのか……)


俺(戦とはな――敵が船に乗ってから始めるものではないのだよ)


内藤興盛は副官に殿を命じ、全軍を博多港に戻す事にさせる。


内藤興盛の方針は堅実である。


勝てる時には全兵力を傾け、負けそうな時は全力で逃げる。


一方の博多港は、大内家の舟が五十隻停泊している。


無論、警備の兵士は何人もいる。


海も足の早い小型艇五隻が巡回している。


俺は合図を出す。


博多港は博多湾の湾奥に位置しているため、志賀島や能古島に囲まれ、出入り口が狭隘である。


小型舟の隠れる場所が多い。


例えば能古島の陰や浅瀬沿い等だ。


俺達は博多の豪商、神屋寿禎の人脈で漁船や小型船を借り、漁民等、舟の操作の上手い者達に一人三百文、舟一隻一貫を出した。


壊れた場合には、弁償と休業補償付きである。


大金である。


多くの漁民は、我先に舟を提供したり、船員希望となった。


俺達は大内家の五十隻が停泊し、兵士を降ろし、兵士がすぐには博多港に戻れないようになるまで待った。


頃合いを見て決行する。


目標は第一に、大内家の小型艇五隻だ。


火油雷を投げ込み炎上させる。


次に大内家の旗艦だ。


火油雷を五発投げ込む。


陸上からも警備の兵を半弓で倒し、次々と火油雷を投げ込む。


無論、乗組員が乗っている舟は緊急出港する。


俺達の雇った舟の追撃を逃れ、志賀島沖に出た大内船には、長尾家の西洋帆船が待ち受ける。


長尾軍から逃れる事が出来たのは、わずか五、六隻程度。


後は焼失か半焼となり、修理不可の状態となった。


そこに内藤興盛が戻って来て、博多港の様子を見て愕然とする。


博多港は明け方であるが、火炎の赤い炎と黒煙がもうもうと立ち上っていた。


ドカーン、ドカーンという火油雷の爆発音が、あちこちで鳴る。


「火を消せー」


「いくら水をかけても消えません」


悲痛な叫びが響く。


火に包まれ、沈んでいく小型船。


博多港に命からがらたどり着いた大内家の兵士の顔も、信じられないという顔である。


ある者は死地に立ち向かうため、気合を入れ直す。


ある者は死地に飲まれ、その場に座り込む。


内藤興盛は、帰りの足が無くなった事を知る。


奇襲なので、相手の意表をつくため舟を用いたのだ。


陸戦主体ならば、関門海峡を渡り、陸路で博多に来ている。


しかし、内藤興盛にはまだ奥の手がある。


焙烙玉だ。


内藤興盛が、追跡してくる長尾軍に使えと指示する。


<危機!帰れない大内軍>


長尾軍に次々と焙烙玉が投げ込まれる。


長尾の兵士は威力を知っているので、重装歩兵は大きく逃げて、盾を構え、鉄片に備える。


ドカーン、ドカーン。


爆発音が鳴り、鉄片が撒き散らされる。


飛び散る鉄片はせいぜい三メートルほどで、盾で防げる範囲内だ。


無論、怪我や火傷をする長尾軍はいるが、死者がいない。


威力の無さに長尾軍が驚く。


お返しとばかりに、長尾軍が震天雷を大内家軍に投げ込む。


ドカーン、ドカーン。


飛び散る鉄片は十五メートルほどで、直撃を受けた者は倒れ、意識が無くなる。


威力の違いに、内藤興盛が驚く。


鉄球と陶器では爆発力に雲泥の差が生じる。


明国では震天雷は兵器として使われ、瀬戸海賊の焙烙玉は海戦でしか使われなかった理由でもある。


戦国時代の日本には空洞の鉄球を作る技術がなかったのだ。


投降の呼びかけがあり、内藤興盛は迷う。


上杉龍義とは面識があるので、そこまで悪いようにはされないだろうと、上杉龍義の顔を思い出す。


内藤興盛は、上杉龍義が琉球を取り、今回の大内家の敗戦から大内家が傾くことを予測する。


内藤興盛(儂も身の振り方を決める良い機会になるやもしれんの……)


俺「これで大内家は三年は海軍がまともに動けないだろ」


柿崎「若様も赤目に看守させたりとか、色々苦労しましたからね」


俺「そうだよ。一番困るのは関門海峡から陸戦部隊、それで海から海軍が来る作戦が一番困る。だから一芝居打って、大内家の海軍力を削った」


柿崎「しかも、海戦じゃなくて半分陸で仕留められたことが大きいですよね」


俺「そうだよ。大内家海軍は歴史があるから強いんだよ。うちは小回りの効かない西洋帆船で仕留めようというんだから、かなりの工夫が必要だったんだよ。これで、終わった。さぁ次は琉球に行くぞ!!!」


安田の顔が緩む。


俺「安田、さては、ーー琉球で何食べようかなーって考えているな」


安田「考えてませんよ。サトウキビの団子とか美味しいのかなーって、あっ」


俺「やっぱり考えているじゃねーかー」

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