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「謙信の甥に転生! 龍馬の日本を戦国から始める」  作者: 27Be


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第318話 1541年 十一歳 毛利元就を攻略出来るかな(3  毛利元就が大業物の刀に驚く)



俺は尼子の対応を把握した。


尼子は備後路を進み、二万人で毛利を攻める。


ならば、こちらは山本勘助を用いて毛利元就を調略する。


これで毛利元就が降れば、尼子との勝負は俺の勝ちだ。


今回の調略は危険である。


そのため、いつもの山本勘助の護衛につける親衛隊を一人から五人に増やした。


第三席田中直、第四席小歳、第五席飛明、第六席志鷹実、第七席猪谷。


さらに補助の兵士も五人つけた。


山本勘助も、親衛隊を五人つけてもらったことに恐縮していた。


このメンバーなら三十人くらいに襲われても、山本勘助を逃がすことは余裕であろう。


加えて赤目も五人つけた。


赤目は外で待機し、異常事態があった時に俺へ知らせる者と、山本勘助の補助である。


俺達の軍より先行して出発してもらうことにする。


本当に異例中の異例である。


俺がここまで用心する毛利元就とは何者か。


長尾家の皆の関心が、自然と毛利元就へ向いた。


<毛利元就という男>


一方の吉田郡山城。


毛利元就の居城である。


志道広良「尼子は二万人で備後路、長尾は五千人で石見路から、この吉田郡山城に向かって来ます。如何致しましょうか」


福原広俊「そもそもなぜ越後くんだりから長尾家が当家を攻めてくるのか、まるでわからぬ」


桂元澄「長尾の上杉龍義は、三好氏や加賀本願寺を滅ぼし、蝦夷地や琉球まで手に入れたというぞ。あいつの動く所、何かが起きるわ」


毛利元就「武人にとって大事なのは、武略、計略、調略である。上杉龍義の情報が足りぬ。情報こそ武人の基礎なるぞ。山伏衆を呼べ」


毛利元就は山伏衆を中心として、忍びとして使っていた。


しばらくして、山伏衆が麓に来ている博多の商人から上杉龍義の話を聞いてきた。


その内容を、毛利元就や重臣に語る。


志道広良「日本一の金持ち大名で戦も強い。尼子より敵にしたくない大名ですな」


毛利元就「儂の見る所、上杉龍義は経済が第一なのだろう。人を財貨と同じと考え、投資と貯蓄を旨とする。経済拡大の過程で博多が大内にあることが困る。それで、博多が確保されるならば、尼子でも誰でも良いと考える。よって大内の手先であるこの毛利元就が邪魔なのであろう」


その時、山伏衆が慌てて毛利元就の所に来る。


山伏衆「殿、山本勘助殿がこの吉田郡山城に向かっております。あと一刻で着くでしょう」


毛利元就は家来に色々と指示を出して、山本勘助を待った。


<緊迫の吉田郡山城>


一方の山本勘助一行。


赤目の影牙が、山本勘助に報告する。


山伏衆がこちらを観察し、吉田郡山城に向かったという。


影牙「始末しましょうか?」


山本勘助「調略前に毛利元就を刺激したくない。毛利元就の忍者の程度はどうか?」


影牙「少なくとも一流ではありません。二流ですね」


通常、親衛隊は龍義の護衛任務以外の任務はほぼない。


例外は田中直で、何回か山本勘助の護衛で出動していた。


そのたびに、親衛隊の皆が羨むような俸給や物品を与えられていた。


このため、同行している親衛隊は山本勘助に良い所を見せたい。


第三席の田中直は、皆の気を引き締める。


田中直「隊列を崩すなよ」


そんな田中直に山本勘助が声をかける。


山本勘助は、素直な田中直が気に入っている。


山本勘助「この毛利元就という御仁は謀略が多いようだ。お前達の出番があるように思う。儂が頭に手をやったら、先制して毛利元就を殺せ。後は混乱するから皆で逃げ切る」


城内正式会談。


原則、帯刀可が通例である。


そんな山本勘助達が吉田郡山城に着いた。


桂元澄がにこやかに対応する。


桂元澄「長尾家の外交使節の方ですな。それでは山本勘助様以外の帯同は二名様まででお願いします」


山本勘助が目で合図する。


山本勘助に第三席田中直と第四席小歳がつき、山本勘助に寄り添い、周囲を最大限に警戒する。


奥の間に案内される。


周囲は襖である。


正面の襖が開かれた。


正面の奥の部屋に毛利元就が座っている。


その距離、五メートル。


山本勘助「私たちを警戒されていますなーー」


山本勘助は、とぼけた声を出す。


山本勘助「この二人の護衛をもっと後ろにやります。私は寸鉄を帯びておりませんので、二人でお話をしませんか?」


毛利元就「・・・・いや、その場所で良い。上杉龍義殿のことは出来る限り調べた。上杉龍義殿は人を財貨のように見る。財貨を貯めるように、上杉龍義殿は人を貯めていくことが好きだろう。山本勘助殿、お主は出来る人だ。さぞ上杉龍義殿から手厚く扱われているだろう。そこが弱点だ。かかれ」


襖が三方から次々と開かれた。


襖の向こうには、弓を構えた兵士がいる。


田中直と小歳が左右から山本勘助を挟み、弓矢が発射されても己の身体でかばおうとする。


山本勘助が田中直と小歳に合図を送り、刀を仕舞わせる。


山本勘助「私たちを人質にしようというのですな。その前に私の話を聞きませんか」


毛利元就「護衛殿の刀を回収してからだ」


福原広俊が田中直と小歳の刀を回収する。


二人の刀が大名が持つような大業物であることに驚く。


福原広俊は、毛利元就に報告する。


毛利元就「金持ち大名が、私たちのような田舎の地侍に何の御用ですかな」


山本勘助「毛利元就殿と軍事同盟を結びに参った」

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