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「謙信の甥に転生! 龍馬の日本を戦国から始める」  作者: 27Be


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309/311

第309話 1540年 10歳 亡命王子は琉球王国の革命出来るかな・最終戦(38 明国官僚、二人の王を量る)

<緊迫!明国官僚の到着>


陳伯安ちん はくあんは明国の上級官僚であり、冊封国からの税と同義の朝貢ちょうこうの回収が任務だ。


陳伯安が副官と話す。


副官「琉球王国で騒動があり、王を名乗る者が現れて大変だそうですよ」


陳伯安「・・・・・15000貫は取れそうなのか?」


副官「行ってみないとなんともわからないですね」


陳伯安(琉球が乱れれば倭寇が増える。福建沿岸に影響が出る。倭寇でも話しのわからない奴らが出てくると厄介なんだよ)


明国の舟が那覇港に着いた。


いつもの那覇の按司・城間と、見知らぬ男たちが出迎えてくれた。


城間「こちらで宴の席をご用意しております」


陳伯安「・・・城間殿は現在の王家に仕えるものか、賊軍に仕えるものか?」


陳伯安は明国の官僚では珍しく、日本語を話すことが出来た。


城間「私は将来の琉球王国に仕える者です。我が主、尚世真王は初代琉球王・尚巴志の血縁です。現在の琉球王は尚巴志の血縁ではないです。


明国で言えば太祖洪武帝(朱元璋)の血縁か、血縁でないかくらいの差があります」


陳伯安は考え込む。


確かに明国で言えば、開祖の血縁か血縁でないかの差は大きい。


陳伯安「初代琉球王・尚巴志の血縁という証明は出来るのか?」


城間「玉璽があります」


またも陳伯安は考え込む。


副官とこそこそ話す。


陳伯安「どうやら馬の骨というわけでもなさそうだ。お前が宴に参加して情報収集をしてこい」


副官「わかりました」


陳伯安「一つ聞くが、お前の所の王は朝貢の15000貫を払えるのか?」


城間「もちろんでございます。すぐにお支払い出来ます」


陳伯安の不安が一つ消えた。


陳伯安「それでは、お前達の宴に先に副官が参加する。後から儂も行くことにする」


陳伯安は、琉球王国に駐在する明国の役人が用意した馬に乗り、現王家のいる首里に向かう。


<危機!王宮の宴>


陳伯安が首里に着き、王宮に向かうと王宮は包囲されていた。


陳伯安が包囲網近くに行くと、高級武官である馬場と小島が挨拶しにきた。


丁重なおもてなしを受け、陳伯安は王宮に入って行った。


王宮の中は兵士だらけになっており、腹が減っているのか、無気力でだらけ切っていた。


陳伯安がため息をつく。


王宮の入口に向かうと、尚清王と毛国鼎摂政が大慌てで出迎えてくれた。


尚清王「さぁさ、歓迎の宴が用意してあります」


陳伯安が宴の席につくと、酒はともかく料理はいつもの半分以下だ。


籠城生活が長いようだ。


陳伯安「それはそうと、朝貢の15000貫は用意してあるのだろうな」


尚清王「もちろんでございます」


陳伯安「それでは確認させてもらうぞ」


陳伯安の部下が確認に行く。


尚清王「私ども琉球王国は長年明国に尽くしてきました。今、私ども琉球王国は賊軍に苦しめられております。何卒兵をお借りできませんでしょうか?」


陳伯安に2つの案が浮かぶ。


A案 尚清王に兵を貸して、来年から朝貢を1割増しで請求する。


B案 初代琉球王の子孫を認めて、来年から朝貢を1割増しで請求する。


陳伯安「兵を貸しても良いが、来年から朝貢を1割増しに出来るか?」


尚清王「・・・・・もちろんです」


尚清王が毛国鼎摂政の顔を見ると、苦しそうな表情だ。


その様子を見る陳伯安。


やがて、陳伯安の元に、尚清王が用意したという15000貫の確認をしに行っていた部下からの報告がくる。


部下「金は13000貫しかありません。後は財宝で、それをこちらで売却して2000貫になるかならないかという状態です」


毛国鼎摂政が13000貫しか集められなかったので、尚清王が先祖伝来の財宝をあるだけ出して補ったのだ。


陳伯安「尚清王、我が国の兵士をお貸しすることは考えておきましょう。朝貢は後で部下が持ち帰ります」


陳伯安は席を立ち、部下とともに那覇砦に向かう。


那覇砦に向かうと、先に宴に参加していた副官から報告があり、駐在する役人からの情報も合わせ、色々なことがわかった。


副官「尚世真王は15000貫を持っています。しかしそれは尚清王から盗んだ物です」


陳伯安がまたも悩む。


不誠実な人を王とすると、今後が思いやられる。


一応、今まで朝貢に手落ちはなかったから兵を出して、尚清王を助けるべきか?


<対立!二人の王を量る>


宴の席に行くと、若く気品に満ちた者が出迎えてくれた。


尚世真王である。


尚世真王は目上の人に対する礼を行い、陳伯安を席に案内する。


陳伯安「副官から聞いたが、15000貫は尚清王から盗んだ物だそうだな。それが王のふるまいか?」


尚世真王「いえ、15000貫は琉球王国の民の物であり、明国にお渡しするものなので、尚清王の物ではございませぬ」


陳伯安「尚世真王は毎年、明国に対して朝貢する意思はあるのか?」


尚世真王「もちろんでございます。加えまして、私は越後長尾家から援助を受けております」


淀橋「長尾家は蝦夷地の守護大名をしております。そのおかげで蝦夷地の商品が多彩です」


兵士が毛皮、干しナマコ(海鼠)、干しアワビ、熊胆・鹿角(薬材)を持ってくる。


陳伯安が近くに行き、品質を確かめる。


不誠実な王なら、長尾家が相手にするはずもない。


ならば、尚世真王は信じられる王なのだろう。


淀橋「加えて、那覇砦まで来て頂いた皆様にお土産でございます」


陳伯安には5000貫相当の金銀と蝦夷地商品詰め合わせ。


一般兵士にまで、100貫相当のお土産が用意されている。


副官や兵士は大喜びだ。


お土産が兵士まで行き渡ることはほとんどない。


陳伯安「尚世真王、明国がお前を王として認めるとした場合に、朝貢を従来1割増しとするとしたら、飲むか飲まぬか」


淀橋が大きく頷き、城間は渋い表情をする。


尚世真王「明国が私を王として認めて頂けるのでしたら、お引き受け致します」


そう言って、尚世真王は陳伯安に臣下の礼をした。


陳伯安は、尚世真王に冊封を受ける覚悟を見る。


陳伯安は笑顔となり、大きく頷く。


陳伯安「尚世真王よ、琉球王となり、我が皇帝に直接貢物を持って参れ。悪いようにはならぬであろう」


副官が陳伯安に確認を取る。


陳伯安「明は、安定する者を王とする」


陳伯安「明は尚世真王を琉球王と認める」

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