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「謙信の甥に転生! 龍馬の日本を戦国から始める」  作者: 27Be


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第287話 1540年 10歳 亡命王子は琉球王国の革命出来るかな(16 王室激怒、亡命王子に包囲網)

< 琉球王国の王室にて >


琉球王国の王宮の奥の間において、御前会議が開かれていた。


尚清王(四十三歳)は普段は物静かであるが、この時は顔を真っ赤にして激怒していた。


尚清王「どうなっておるんだ、説明しろ!!」


大臣が顔を真っ青にして汗を拭きながら答える。


大臣「那覇にある王家の倉庫が三十人程度の賊に襲われるという情報を入手しまして、番所の者百人で対応しましたが、敵の罠にかかり、王家の倉庫を賊に焼かれてしまいました。

次いで、首里の王家の倉庫は襲撃されるという情報を入手し、第三部隊で首里の防御を固めましたが、倉庫は襲撃されませんでした。しびれを切らした第三部隊は、四日後に現れた敵に突撃した所、悪辣な罠にかかり敗北しました。大部分が捕虜となりました。

その後、尚巴志王の血を引くと呼称する尚世真王子が、越後の長尾家と倭寇の李牧に後押しされていることが判明しました。

その影響もあり、那覇の按司・城間が尚世真王子に加担することを表明し、民衆にまで動揺が広がっております」


尚清王「琉球王国の始祖は尚巴志ではない。金丸様(尚円王)である。

よって、どこの馬の骨か分からぬ人物なので賊軍と呼称せよ。

それで賊軍の対応をどうするのか? 王府将軍、答えよ」


尚清王は、第二尚氏のみを琉球王国と見ている。


<王宮の怒り>


王府将軍とは、琉球王国軍のトップである。

名を謝名親盛じゃな・ちかもりという。

風貌は、髭が胸まである大男だ。

日に焼けた顔に傷が多数あり、実戦経験の豊富さを物語る。


謝名親盛「王よ、第三部隊は破れましたが、第四部隊までありますので、残り三軍あります。

王の血縁に当たる按司の軍もおります。

長尾家と李牧の軍も千五百ほどしかおらず、我らは五千を超えます。

農民から特別徴兵すれば、さらに二千は稼げましょう。

数で負けることはありません。

王よ、ご命令を頂ければ、ただちに賊軍の大将の首をお持ちしますが、どうしましょうか?」


これを毛国鼎もう・こくてい摂政が止める。


毛国鼎摂政とは、文官のトップに当たるもので、尚清王の片腕と呼んで差し支えない人物である。

毛国鼎は白い髭が胸元まである。

刺すような視線で、ただ者ではない雰囲気を纏う。


毛国鼎「王府将軍が勝つのは分かっておりますが、もう少し楽に勝ちましょうぞ。

損害を出来る限り少なくして完全勝利しないと、万が一戦が長引きますと、城間のように賊軍に味方する按司が出てこないとも言い切れますまい。

そうなれば琉球王国は内戦状態となり、国力は消耗し、明国からいらぬ介入を招く事になります」


尚清王「毛国鼎の言は良し。

我らは辛勝ではいかんのだ。

明国からいらぬ介入を招くわけにはいかん。

よって迅速に賊軍どもを弱らし、トドメを謝名親盛が全軍を挙げて賊軍の息の根を止めろ。

王家に繋がる按司には、儂から軍を出し我らに協力するよう申し伝える。

して、毛国鼎よ、賊軍を弱らす手とは何か?」


毛国鼎「特別法を発行して、賊軍に味方する者は家族も含め厳罰とするとして取り締まるのです。

そして財産を没収していけば、那覇の倉庫の損もいくばくかは取り戻せましょう。

加えて、我らは大内家とは親しき仲にございます。

大内家から長尾家に圧力をかけさせましょうぞ」


謝名親盛(悠長な。辛勝だろうと何だろうと、敵が小さいうちに叩かないと大変になるのが分からんか。これだから文官というのは……)


<不穏な策>


尚清王「認可する。早速施行せよ。

世の中の馬鹿者は尚巴志をありがたがるが、金丸様こそ琉球王国の実質的な建国者よ。

尚巴志をありがたがる者達に天罰を与える良い機会よ。

厳重に取り締まると良い」


毛国鼎「加えて、必勝の手がございます。お耳を」


毛国鼎がごにょごにょと耳打ちをする。


謝名親盛が肩をすくめ、眉をひそめる。


尚清王「……それは良い。儂が許可する。あやつをそちの手足とせよ」


毛国鼎「これで賊軍は終わりですね」


尚清王は冷たい笑いを浮かべる。

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