第280話 1540年 10歳 亡命王子は琉球王国で革命出来るかな(9 亡命王子、敵兵の前で頭を下げる)
8 王子の演説
次の日、王子は城間から相談された。
城間「王子の事を我が兵士にどう伝えましょうか? 下手に伝えると、私の裏切りが予定より早く今の王家に伝わります。」
王子は一瞬考えるが、すぐ決断する。
王子「城間殿、貴方の兵士は私の兵士でもある。
自分の兵士から信頼を得れなくて、どうして王を名乗る事が出来るのか?
城間殿の兵士を広間に集めてくれ」
城間は驚く。
広間に集められた兵士達は、何事かとこそこそ話す。
拘束された者はいきなりの理不尽に受けた暴力に、憤りを隠さない。
広間に城間と王子が現れる。
王子の気品を見て、ただ者ではない事を兵士達もわかる。
まず城間が前に出る。
城間「おまえ達、良く聞け。
ここにおられる方は琉球王国初代尚巴志王の正当継承者、尚世真王子だ。
儂ら城間家は初代からこの那覇を任されたから今の地位がある。
儂らは今後、正当継承者尚世真王子に従う事にする。
異論があるものは名乗り出よ」
異論など言える空気ではない。
当然、名乗り出る者はいない。
だが、空気は硬かった。
兵士達の視線には、怒りと不安が入り混じっていた。
<緊張>
王子が城間に断り、前に出る。
王子「皆、いきなり言われて驚いているのが実情であろう。
まずは、昨日手荒な真似を受けた者はすまなかった。」
王子の声は静かだが、よく通った。
王子が一礼する。
兵士達が驚く。王が兵士に謝る事はあり得ないからだ。
王子「城間の忠臣たる兵士諸君。
私は皆に将来の栄達を約束しよう。
私は城間を最初の按司とした。
栄誉はこれからの働き次第だ。
まずはその証拠に、皆に百文づつ配ろう」
(琉球で百文は飯が数日食える額)
淀橋が百文づつ渡し、王子が兵士達と一人一人握手していく。
兵士達は感動している。
最後に広間から王子が出る時、誰かがぽつりと手を叩いた。
それが二人、三人と増えていく。
気付けば、広間は拍手に包まれていた。
<ざわめき>
これを見た城間は、胸の奥が熱くなるのを感じた。
王子が、自分の忠誠を尽くす事に値すると確信した。
応接間に戻り、城間は王子に言う。
城間「王子、現王家が那覇に所有する倉庫があります。
そこの食糧や財宝を頂ければ、革命はさらに前進するでしょう」
王子「早速、小島隊長と相談しよう」
王子の革命が、また一歩前進する。
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