第277話 1540年 10歳 亡命王子は琉球王国で革命が出来るかな (6 亡命王子、危険すぎる夜襲に参加?)
< 那覇 >
王子達五十人は、比嘉仁喜の兄弟分が用意した隠れ家にいる。
今度も寂れた倉庫が隠れ家となる。
薄暗く、カビ臭く、ネズミがうろつくそんな場所だ。
湿った土の匂いが鼻につく。
山田「さてと、兄貴と李超さんには早速暴れてもらいましょうか」
この言葉に、王子が少し慌てる。
王子「山田さん、どうするのですか?」
那覇港での二重徴税や賄賂の噂は、すでに山田の耳に入っていた。
山田「まず那覇の按司城間親照を夜襲で拘束しましょう。善人なら味方にして、悪人なら武器で脅して色々動いてもらいましょう。那覇港を見ていたら悪い役人がのさばっているので、脅して言う事をきかせる方になると思います」
山田の近くには、黒子の大谷と木杉が控える。
王子が驚く。
王子「按司の家は砦とか城の類いであるぞ」
大谷「そこは私たち黒子(城砦専門攻撃部隊)がいます。偵察に行って来たのですが、崖を背に作っておりますので大丈夫かと思います」
王子が不思議そうな顔をする。
なぜ崖を背に作っているのに大丈夫なのか?
木杉「崖側の見張りは通常置いてないことがほとんどなのです。ですから私たち黒子は崖や壁を登り、そこから城を落とす訓練を沢山しているのですよ」
大谷「今回見た所、登りやすい崖ですから、そこから登って城内に侵入して小島隊長達を招く作戦です」
木杉「王子はここで待って吉報を待って頂いて、安全が確認してから迎えをよこします。それでよろしいですか?」
<緊迫する作戦会議>
王子「その作戦は許可出来ない」
山田、大谷、木杉がお互い顔を見回す。
小島も李超も王子を見る。
大谷「どこか作戦に不備がありますか?」
王子「ある。私も小島隊長と一緒に攻撃に参加する。そうでないなら作戦を許可しない」
山田「王子、よくお考え下さい。王子が参加すると王子の護衛を増やさないといけなくなり、こちらの作戦が不利となるのですよ」
王子「山田、そちらこそ考えよ。仮に按司を説得するとき、目の前に前王家の人間がいるのといないのとでは説得力が違うであろう。時間が経過してからでは人は身構えてしまう。相手の思考が一番止まっている時に、私が相手の思考を奪う方が効果的だ」
小島が一瞬だけ驚き、すぐに頷く。
山田「それでは王子の護衛の件はどうするのですか?」
三女「それならば私が命に代えましても王子をお守り致します」
山田「そしたら王子も参加という事で、作戦は今夜決行しましょう」
<恋と決意>
王子「そちは確か・・・・」
三女「すみれです。すみれちゃんと呼んで下さい」
王子「そうか、すみれ感謝するぞ」
王子が少し照れる。
三女「(心の声)すみれちゃんって呼んでくれよーーー でもすみれでも良し、恋の一歩前進だ。おーーーー!!(すみれの元気が出まくっている)」
長女と次女が笑顔で三女を突いている。
長女「何ニヤついているんだよ(笑)」
次女「一歩前進みたいな顔してさ(笑)」
長女「しょうがねー手伝ってやっか」
三女「お姉ちゃん大好き」
次女「こいつ、こういう都合の良いときだけこういうんだぞ(笑)」
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