第273話 1540年 10歳 亡命王子は琉球王国で革命が出来るかな(2 尚清王を倒すだけでは終わらない、琉球革命の難しさ)
<現在状況>
山田「寝弟は寝てたから、俺が状況説明しますよ。
今回、琉球に行く目的は――琉球前政権王の血を引く
尚 世真王子(22歳)を王位に就けるためです」
淀橋「琉球前政権王ってどんな人?」
山田「琉球には昔、三つの国があった。
中山、北山、南山。三山。
その三山を統一したのが――尚巴志なんだよ」
淀橋「初代統一王か、英雄だね」
山田「そう。琉球を“交易国家”にした男だ。
そして琉球王国は、金丸に盗まれ、現在は金丸の子孫、尚清王に引き継がれている」
淀橋「そしたら尚 世真王子と俺達で
尚清王を倒さないといけない」
山田「寝弟、それだけでは足りない。
民衆と――琉球だと豪族じゃなくて按司と、
それに民衆の支持も要る」
<不穏>
淀橋「兄者、民衆の支持を得ないで僕達で尚清王倒して終わりにしたら、どうなるのかい?」
山田「寝弟、越後で考えてみて。
もし若様が誰かに倒されて、その誰かがどこかに行ったら、俺達ならどうする?」
淀橋「そりゃ若様に近しい人を擁立して、その誰かと戦えるように準備するよ」
山田「同じことが琉球王国でも起こるよ。
俺達だけで尚清王倒して、王子置いてどこか行ったらどうなる」
淀橋「どこかの按司が尚清王に近しい人立てて、王子倒すだろうね」
山田「だから俺達は、王子に民衆や按司の支持を得て貰わないといけない」
淀橋「僕達が九州かどこかの国なら、琉球王国を武力で支配下に置くだけで済むね。反対勢力出て来たら叩きに来れば良いもの」
山田「そう。俺達は越後という地理的条件を抱えるから毎回来れない。
民衆や按司の支持を得て、王子は皆が満足する政治をしなければならない」
<緊迫>
山田「でも、僕ら小島五兄弟――
長兄の小島、次兄の大助、三兄の僕、四兄の寝弟、末の酒弟・喜屋武」
淀橋「それに赤目三姉妹。
長女の葵、次女の楓、三女の菫。皆、可愛いよね」
山田「特に三女の菫さんが、尚王子にベタぼれで大変らしいよ」
淀橋「……それで、僕ら小島兄弟も頑張るし、越後から兵士千人連れて行くからさ。
革命は何とかなるんじゃないの?」
山田「甘いよ。
現在の琉球王国の動員兵力は五千人だ。
若様に依頼すれば二千人は追加できるけど、
必要になってから三ヶ月は見ないと間に合わない」
淀橋「三千人対五千人じゃ、負けるじゃないですか?」
山田「だから、民衆や按司の力が必要なんです」
淀橋「そうだね。李牧さんの右腕と那覇で合流するんでしょ?」
山田「そうだよ」
淀橋「グー……」
山田「また寝るんかい?」
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