第272話 1540年 10歳 亡命王子は琉球王国で革命が出来るかな (1 金丸の簒奪、亡命王子が取り返す王国とは)
<金丸――琉球王国の極悪簒奪者>
その昔、
金丸は、元はただの百姓だった。
しかし、野心があり、知恵があった。
旱魃の際も知恵――干上がった井戸の底を掘り、伏流水を見つけた――で切り抜けたが、水泥棒と言われ、村を追われた。
首里に逃げた金丸は、もう百姓に戻りたくなかった。
野心に燃え、誓いを立てた。
自分は二度と蔑まれない立場になることだ。
このため金丸は、得意の知恵を活かし、尚泰久王に取り入り、出世した。
金丸は王宮の金を握り、人を握った。
このまま順調に行くかと思われたが、尚泰久王が死んだ。
次の王は、若い尚徳王。
尚徳王は聡明だった。
金丸の野心に気づき、側から遠ざけた。
金丸は表向きは隠遁することにした。
だが実際は、首里の財政と人事に影響を残したままだった。
尚徳王の食事を作る人間さえも、金丸の息がかかっていた。
<不穏>
尚徳王が若くして、28歳で亡くなった。
当時の人でさえ、あの健康な王が若くして死ぬなどあり得ないと噂した。
尚徳王の急死は、当時から毒殺が疑われた。
本来は、尚徳王の世子が後継者となるべきであった。
しかし亡くなった日、金丸の息のかかった兵士達が王宮に乱入した。
尚徳王の忠臣である越来賢雄(長男)は、越来賢四(4男)と共に、尚徳王の世子と玉璽を持ち王宮から脱出した。
越来賢四(4男)は側室の子である事が幸いし、世間にその存在は知られていない。
越来賢雄「俺が金丸の軍を引き付ける。賢四、お前は遠くに逃げろ」
越来賢雄は、金丸の軍に追われ、知花城の中腹にある洞窟に追い込まれ、火攻めの末に殺された。
賢雄は、炎に包まれながらも、尚徳王の名を叫んだ。
<緊迫>
一方、収まらないのは金丸である。
何より玉璽がないと、簒奪と後ろ指を指されるのだ。
金丸は不始末をした兵士達を処分した。
尚徳王の世子は死んだと世間に公表した。
そして泊村の老人安里大親に金を渡し、自分が神に選ばれし者であるとした。
金丸は、尚円王と名乗り、二度と蔑まれない立場になった。
琉球王国は、金丸に盗まれたのだ。
琉球王国の現在の王は、金丸の血を引く尚清王である。
簒奪者金丸の後継者から琉球王国を取り返すのだ。
そして今――亡命王子は、長尾軍と共に琉球王国に革命を起こす。
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