表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「謙信の甥に転生! 龍馬の日本を戦国から始める」  作者: 27Be


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

215/285

第215話 1539年9歳 蝦夷地開拓、村を壊す大熊と少女たちの執念だぞ

2 下条掃部助


下条掃部助は三十代の、動物好きの越後の国人衆であったが、蝦夷地の開拓業務で頑張ってもらっている。


石狩平野の平原を九島兄弟に頼み、アイヌと交渉して分けてもらった。

四十人ほどの村だ。


作物も順調で、ニワトリも越後より蝦夷地の方が卵を産む。

しかし、キツネやイタチがニワトリをおそい、ネズミやタヌキが作物を狙う。


それでも自然に恵まれている。

成果は十分だ。


アイヌ村で罠が得意な老猟師『ニア爺』に頼み、ニワトリ小屋や作物畑の周りに罠を仕掛けてもらい、一定の成果をあげている。

これらの肉はアイヌに教わりながら、アイヌに分けたりもらったりしていた。アイヌとはうまくやっている。


若様に褒められるレベルだ。


村に住む娘のマイ(18)も、蝦夷地に来て楽しくやっている。

仕事はきついけど、同じ村で同じ年の娘のケイ(18)と、仕事終わりに話をすることが何よりの楽しみだ。


今日は何を話そうかなーと思いながら、雑草を抜いたり、家の手入れをしたりしている。

二人の親が仲良しだったせいで、二人は小さい時から姉妹のように仲が良かった。


ケイの口癖は、


ケイ

「マイの結婚相手は私が決める。マイの事を一番知っているのは私なのだから、とびきりの男を見つけてくるわ」


その前に自分の男を見つけろよ、とツッコミたいが、ツッコむと怒るのでツッコんでない。


マイ

「お願いね」


と可愛く言うことにしている。

いくら仲が良くても、言わなくて良い一言は存在する。


<緊迫!森の異変>


ある日、マイが起きようとすると父親が飛び込んできた。


あんな表情の父親は見た事がない。


マイ父

「起きろ、マイ起きろ、大変だ お前のケイが・・・」


ただならぬ父の表情とケイという単語で飛び起きる。


マイ

「ケイがどうしたの?」


マイ父

「クマに襲われた。親子3人全滅だ。ちっくしょーー。あいついい奴だったのに、ちっくしよー、絶対許さねー」


マイは寝間着のままで裸足でケイの家まで走った。

マイは走りながら、心のどこかで「嘘だ」と繰り返していた。


開拓小屋だ。そこまで立派な物ではない。

若様の方針で暖炉だけは立派だ。


下条掃部助が悲痛な顔して立っていた。


下条掃部助

「マイか、お前は見ない方が良いぞ、お前達は仲良かったからな」


マイ

「仲良いから見るんでしょ!、私がケイの側に行かなくて、誰が行くと言うの」


怒鳴り返し、家の中に入る。


目の前には内蔵を食われたケイの姿。

瞳孔を見開き、必死で抵抗した姿が分かる。


それを見たマイは全身の血が引き、その場で失神した。


マイは目覚めると布団に寝かされていた。

棺桶が3つ並んでいる。


マイは全身に力が入らない。

でもケイの顔を見たい。何が何でも見たい。


這うようにして棺桶を開けて顔を確認する。


やさしかったおじさん、おばさん。

そしてケイだ。


ケイは化粧をしてもらい、安らかな表情となっている。

顔の血も拭き取られている。


マイは何も考えれない。涙だけ溢れる。

こういう時にケイの元気な笑顔を思い出して、また泣く。


沢山の思い出やケイの話しをした事よりも、マイの頭に浮かぶのはケイの顔や表情だ。

それしか出ない。


一晩中泣いた。


夜明けに父親が声をかけてきた。

父の後ろにはマイの母も涙を押し殺している。


マイの父

「ケイを天国に送り届けろ。お前の役目だぞ」


そう言って村人と一緒に棺桶を墓地に行き、埋葬した。

ケイが入る穴はマイが掘った。


村の男

「ここの土は固いから女のお前じゃ無理だぞ。」


マイ

「いい、ケイの事はみんなしてあげたいの」


村の男

「俺もケイとの思い出はある。俺も掘るけど良いか」


マイは頷き、男と一緒に掘った。

マイは埋める前の最後にケイの顔を見て泣き、墓の前でまた泣いた。


次の日の朝。

マイは起きたが、抜け殻同然だ。何も気力が湧かない。


また父が飛び込んできた。


マイの父

「今度は岩脇さんの5人がやられた。ちっくしょーどうなっているんだ?」


マイは両親と岩脇さんの現場に行った。


下条掃部助

「このままじゃ、村はクマに襲われて全滅だ。捜索隊を組みクマを退治する。アイヌの村長にも言ってアイヌの男達やニア爺にも応援を頼もう。山狩だ」


マイ

「私も参加したいです」


マイの父

「ダメだ、足手まといだ。アイヌに手伝ってもらう以上アイヌが定める女が入れない場所がある。その時お前を一人に出来ない」


十日後、山狩隊は帰ってきた。

クマに出会いアイヌの男が殺られたそうだ。


アイヌの村も殺気づく。


家に帰ってきたマイの父が、友人だったケイの父の事を思い泣いていた。

そんな父を見てマイも泣いた。


次の日、マイは畑に行こうとするとニア爺が罠を作っていた。


マイ

「こんにちは、ニア爺様。罠はどうやって作るの?」


ニア爺はニコリもせず、無視だ。


マイはニア爺の手元を見たり実物を見て、罠の作り方を記憶した。


そこにアイヌの娘が来た。


アイヌの娘

「ニア爺、トリカブトの毒を持って来たよ、これであのクマやるんでしょ」


ニア爺はニコリもせず、無視だ。


マイはアイヌの娘に話しかける。


マイ

「トリカブトってどういうの。」


アイヌの娘は現物のトリカブトを見せて、毒の抽出方法を教えた。


それを見たニア爺様が怒鳴る。


ニア爺

「毒なんて危ないもの教えたらダメだろ」


マイとアイヌの娘は逃げた。


マイ

「ねぇあんた名前は?私はマイ」


アイヌの娘

「私ルッカ、マイは何でトリカブトの聞いたの?」


マイ

「大事な親友をクマに殺された」


ルッカは急に悲痛な顔になり、


ルッカ

「そうか、私の父も山狩りの時やられた。 ねぇマイ、二人であのクマ殺そうよ。皆神の使いっていうけど、父を殺すような神ならいらない。」


マイ

「ルッカは罠は出来るの?」


ルッカ

「出来るって言いたいけど、ニア爺みたい高度な罠は無理」


マイ

「そしたら、落とし穴にしようよ、下に切った竹を埋めて先にトリカブト塗れば、私たちの敵のクマだって殺せるよ」


ルッカ

「マイ、天才!! やる、やりたい、やろう」


二人の共同戦線はシンプルだ。


穴を掘る。

かかっているか見る。

人がかからないよう、人間にはわかるようにしておく。


五個を作ったあたりで、


マイ

「ぜんぜん、罠にかからないね」


ルッカ

「何かが決定的に違うのよ。マイは何か分かる?」


二人で森の中を彷徨っていると、獣の匂いが鼻をつく。


マイ

「ルッカ急いで木に登って」


二人が木に急いで登る。


<危機!木を登る大熊>


大熊だ。

クマは木に背をこすりつけ、私はここだぞとアピールしている。

後ろには子熊が2匹いる。


ルッカ

「あいつ父の敵だよ。間違いない」


マイ

「バカ、声出したら」


大熊が、マイやルッカがいる木を登ってくる。

クマは木に登れるのだ。


恐怖しかない。


クマの爪が、マイの足首をかすめた。

木の皮が飛び散る。


足で蹴落とそうにも足を持って行かれるし、枝も落とせない。

絶対絶命だ。


マイは辺りを見渡す。

マイは考える。『これで私がクマの顔めがけて飛び降りたらアイツ落ちて死なないかな』


マイはルッカの腰の巾着を見て閃く。


マイは腰の巾着の液体を、登って威嚇してくるクマの顔にかける。


クマが苦悶の表情となり、下にストーンと落ちた。

それでもダメージがない。


マイはトリカブトの毒をクマの顔にかけたのだ。


ホッとしていると、

一匹の子熊の悲鳴がした。


マイとルッカの落とし穴に子熊が落ちたのだ。


悲痛な声をあげる母クマ。

しばらく穴の周りをうろうろして、現場を立ち去った。


ルッカ

「マイ、あんたのおかげで助かったよ」


マイ

「こっちこそあんたがトリカブト持っていなきゃ死んでだ」


二人は笑って木を降り、子熊が落ちた穴を見る。

子熊は小さいため竹槍には刺さっておらず、マイやルッカを威嚇してくる。


ルッカ

「大人を呼ぼう!、あのクマは必ずここに帰ってくる。私はアイヌの男達を連れてくるから、マイも村の男連れてきて」


マイ

「わかった」


マイは急いで父に話をして、父は下条掃部助に話をした。

急いで現場に向かった。大人数で行くと気づかれるので最小人数だ。

アイヌの男達もいた。ハンドサインで会話をする。


大熊はルッカの予測通り帰ってきた。


大熊は怒りを下条掃部助やアイヌの男達に向けてきた。

クマは一度こちらを見て、明らかに“狙い”を定めた。

人間を知っている目だった。


しかし、下条掃部助やアイヌの男達は逃げない。


皆、弓の矢にトリカブトの毒をつけ、大熊に発射する。

通常クマは毛皮が厚い。矢は通りにくい。だが――顔と喉は別だ。

しかし、至近距離で複数射撃を受け、矢にはトリカブトが塗ってあれば別だ。


クマの顔や柔らかい部分に矢が刺さった。

男達の矢が尽きかけ、トリカブトの効果が現れるまで、皆が息を殺して見守った。

一瞬の沈黙の後、大熊がようやく鈍る。


すかさず、アイヌの男は大熊の喉に刃物を突き立て、逃げる。

暴れるクマ。出血が多くなり、やがて倒れる。


アイヌの男達も、下条掃部助も、マイもルッカも大歓声だ。

誰かが笑って、誰かが泣いて、誰かが膝から崩れ落ちた。


こうして大熊の被害は去った。


マイはルッカを連れてケイの墓に来ている。


マイ

「ケイの敵はルッカの助けを借りて討てたよ。ルッカ、ケイは喜んでくれると思う?」


ルッカ

「友達なら当然だ。お前の事を一番知っている友達だったんだろ」


マイはケイの表情だけでなく言葉を思い出した。


マイ

「ルッカ、良かったらあなたの結婚相手は私が紹介したいわ」


ルッカ

「その前に自分の男を見つけろよ」


マイ

「そうね」


二人は笑った。


下条掃部助

「という事があり、大変でした」


「クマを退治したことはもちろん、アイヌと協力してやっつけたという事が偉いぞ、これからも頼むな」


下条掃部助

「という事でクマ肉を持って来ました」


安田はクマ肉が大嫌いだ。

安田はダッシュで逃げた。

ここまでお読みいただき、ありがとうございます!

「面白かった!」「続きが気になる!」と思っていただけたら、

ブックマークや、評価ポイントの☆☆☆☆☆を★★★★★にして

応援していただけると、とても励みになります。


皆様のブックマークと評価が、

今後の更新の大きなモチベーションになっています。

どうぞ、よろしくお願いいたします!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ