第211話 1539年 9歳 赤沼備中、秒で裏切るぞ
町には立て札があちこちに立てられた。
<ざわつく町>
町民A
「えー工藤氏と赤沼備中を、先に投降した方を許すのか? 南部様も思い切った事するなー」
町民B
「そりゃ、2人を敵にするより、1人だけに絞った方が楽だもんなー。そりゃ南部様賢いよ」
<追い詰められる赤沼>
一方その頃、赤沼備中は隠れ家で家来と相談中である。
赤沼家来
「どうしましょうか? 工藤に先に投降されると、我々が城を燃やした全責任を取らされますよ」
赤沼備中
「何よりもだ、上杉龍義のボケが越後くんだりからこんな地のはてまで来てやがるだろ。上杉の怖さ、お前も知っているだろ?」
赤沼家来
「あれは、悪魔とか鬼とか悪霊のたぐいですよ。知っていますか? あの人負けた事ないんですよ。この前もこっち来た時、簡単に敵を成敗して蝦夷地に行きましたからね。あれは逆らっちゃいけないたぐいですよ」
赤沼備中
「くわばら、くわばら。大体工藤のボケが俺の所に手下をよこして来て、俺の使い込みの証拠を握って“バラすぞ”で俺を手伝わせてポイするのだから、俺はアイツを庇い立てする義理は無い」
赤沼家来
「いやだから、使い込みしていてバラされると脅かされて火をかけましたって南部様に謝りましょうよ。投降したら許してくれるのだから、使い込みの事まで許してもらいましょう」
赤沼備中は、俺の眼の前で平謝りしている。
自分の使い込みも、火をつけたのも、
悪いのは全て工藤氏という事になっている。
俺
「赤沼備中よ、よくぞ正直に申してくれた。感謝するぞ。
して、工藤はどこに潜伏しているのか?」
赤沼備中は許してもらえたと思い、
自分が知っている情報を全て俺に伝えた。
工藤氏は 名久井岳 に隠れているとのこと。
赤目に探索させる。
俺は赤沼備中が逃げないよう、長尾家の兵士に見張りを命じた。
赤沼備中は、南部氏の兵士じゃない事にホッとした様子である。
<夜明け前の作戦>
赤目から報告が来る。
霧狼が地図を広げ、この位置と特定し、
人数や様子を伝える。
工藤氏の兵士は300人。
野営をして身を隠している様子。
南部氏に敵対する勢力は他にも沢山いるので、
どこに合流しようかと迷っているとのこと。
各個撃破のチャンスなので、
どこかと合流される前に 夜明け前奇襲 にする。
俺、馬場、小島兄弟が作戦を組んでいると、
南部氏で常駐の連絡係りをしている
志村や高木が訪ねて来て、
是非とも作戦に参加させて欲しいとのこと。
俺
「もちろんだ。活躍しろよ」
志村や高木は嬉しそうに返事をした。
そろそろ志村や高木を越後に帰してやりたいけど、
代わりを誰にするかで困る。
この事を志村や高木がいない時に
馬場や小島兄弟に言うと――
馬場
「確かに、南部氏の重要さは皆がわかっているけど皆逃げる。宇佐美さんは1年で逃げたと聞いています」
俺
「宇佐美もいい年齢だから寒いのは辛いんだよ」
馬場
「かといって蝦夷地ほどの自由さや開放感もない」
小島
「良い所なしですね」
俺
「飯だけは美味いらしい。軍事がわかり信用が出来、南部氏の前に出しても恥ずかしくない人が欲しい」
山田
「若様のお父上の御兄弟はどうですか?
軍事とかは誰か気の利いた人を補助でつければ良いですし、
今の所は若様の役に立っている人ではないので出しても惜しくなく、
かつ、血縁なので南部氏の前に出しても恥ずかしくないですよ」
俺
「山田、よく言った! 小島、お前良い弟持ったな!!」
小島
「でしょう!!自慢の弟なのです」
馬場
「若様、私にも山田みたいな弟下さい」
馬場まで、止めてくれーーー。
馬場には本当の弟がいるだろうが。
俺はお前らのお母さんじゃないぞーーー。
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