第212話 1539年 9歳 三百対五千、夜明け前の地獄だぞ
<迫る夜襲の影>
工藤氏
「何ーー赤沼備中のカスが投降しただとーー」
工藤家来
「この名久井岳の隠れ家もバレていると見るべきです。なにせ相手はあのー」
工藤氏
「悪魔だろ? 大体なんで上杉なんかがこんな所まで出しゃばるんだよ」
工藤家来
「蝦夷地のためだと思いますが、多分もう見張られていると思うべきです。今から移動しても移動中を狙われますし、今日の夜か朝方に奇襲されると思います。」
工藤氏
「どうする?」
工藤家来
「見張られていること前提で行動するのです。ですからこの隠れ家の中で備えるのです。それよりも安全なのは・・・」
一瞬、沈黙が落ちた。
工藤氏
「そんな安全な方法があるなら言えよ」
工藤家来
「降伏するのです。勝ち目はありません」
工藤氏の目が変わり、
目の前の家来を殺した。
工藤氏
「お前みたいな自分の命を惜しむ奴はいらん」
工藤氏は他の家来を呼ぶ。
工藤氏
「おい、上杉の奴らがコイツを殺して出て行ったぞ。上杉に周りを取り囲まれている。今日の夜か朝方に奇襲がある。隠れ家の中で武器を構えて備えろ」
他の工藤氏の家来は、見えない敵に恐怖する。
だが今は工藤氏に従うしかない。
<夜明け前、包囲>
朝3時ころ。
馬場や小島兄弟、高木や志村は
五千の兵で工藤氏を取り囲む。
工藤氏の兵は三百。
正直、この時点で勝っている。
後はいかにこちらに被害が出ないように勝つかだけだ。
これで死人や重症者でも出そうものなら、若様から大目玉だ。
皆それがわかっているから慎重な対応となる。
山田が工藤氏の隠れ家を一巡する。
山田が小島に。
山田
「兄貴、これは多分奇襲がバレてます」
小島
「そしたら馬場隊長に報告しよう」
小島と山田は馬場の所に行く。
山田
「見張りの様子が変です。これは奇襲がバレていると見るべきです」
馬場
「そしたら山田、お前ならどういう作戦を立てる?」
山田はニヤリとして。
山田
「そしたら先鋒を小島兄弟で受持ちますので、馬場隊長は反対方向から遠矢で敵を削って下さい」
馬場
「おう、わかった」
<火と雷の奇襲>
小島兄弟は自分達の部隊千人に作戦を説明する。
山田は大助に作戦を伝える。
大助
「賢弟、俺に任せろ!!」
山田
「次兄、頼みます」
大助は 火油雷 に火を付け、
工藤氏の隠れ家に投げ込む。
爆音とともに、辺りは火の海となる。
隠れ家に潜んでいた工藤氏の家来は、
たまらず外に出てくる。
そこへ大助が 震天雷 に火を付け、投げ込む。
大半が戦闘不能となる。
山田が手を下ろす。
半弓から弓矢が放たれ、敵兵を削っていく。
工藤氏の家来は、たまらず反対方向へ逃げる。
そこには馬場が待ち構え、これもまた矢で削っていく。
五分ほど経った頃、
また大助が 火油雷 に火を付けて投げる。
爆発音とともに、辺り中火の海となる。
小島
「お前達降伏しろ。工藤氏を差し出せばお前達の命は助ける」
日頃から家来を大事にしていない工藤氏は、
家来にぐるぐる巻きにされ小島の前に連れ出されてきた。
馬場が小島と山田の前にやってきた。
馬場が山田に。
馬場
「山田、小島と喧嘩したら俺の所に来いよな」
山田
「ありがとうございます。でも、俺は兄貴に一生ついていくと決めているのです」
馬場
「まぁ駄目元で言っただけだ。忘れてくれ」
小島は山田の言葉に感動して涙目だ。
夜が明けた。
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