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「謙信の甥に転生! 龍馬の日本を戦国から始める」  作者: 27Be


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140/283

第140話 1538年 8歳 論功行賞だぞ

前回は、

細川晴元が来訪した回だった。


その中で俺は、

将来必ず火種になる男――

三好長慶の危険性を指摘している。

<論功行賞>


1位は小島弥太郎。

千貫だ。


小島弥太郎

「若様、ありがとうございます。

 最初に出会った時に頂いたこの鎧通しで首を切り、

 若様との約束を果たしました」


「おめでとう。

 活躍は、遅すぎたくらいだ」


小島弥太郎

「若様、お願いがあります。

 志村が家を起こすと聞きました。

 私も、家を起こしたいです」


「良いぞ。

 ただ、小島弥太郎には揃えねばならぬ物が色々ある。

 それは後で話そう」


<賑やかな面々>


「二位は北爺からの推薦だ。

 木杉付子、五百貫だ。


 逃がしたかもしれない側室を、よく捕まえた。

 側室に逃げられていたら、

 今回の作戦も失敗していたかもしれん。

 お手柄だ」


「三位は黒子の北爺と大谷。

 それぞれ百貫だ」


津村淳之介が木杉付子に近づく。


津村淳之介

「おめでとうございます。

 俺のおかげですね(笑)」


木杉付子

「そうだよ、新人」


そう言って笑顔の木杉付子は、

また津村淳之介の尻を蹴った。


「僕も蹴って」


そう言って、尻を突き出した男がいる。

武芸大会で女に見惚れて逆転負けをした、

スケベ大助次郎である。


木杉付子も津村淳之介も、

スケベ大助次郎など存在しないかのようにスタスタ歩き出す。


木杉付子

「黒子の飲み会に参加させてやるよ、新人」


津村淳之介

「怖いなー。地獄の飲み会でしょ」


木杉付子

「飲み会だと北爺は優しいの。

 その後は悪魔ね」


津村淳之介

「僕は逃げますよ」


木杉付子

「付き合わせてやんよ、新人。行くぞ(笑)」


取り残されるスケベ大助次郎。


その側を、忍者三人娘が通りかかる。


三女 菫

「だから、びっくりしたわよ。

 木沢長政、

 うんこする時にお付きの人五人にじっと見られながら

 うんこひねり出してたんだから」


長女 葵

「汚な~~~~(笑)」


次女 楓

「あんた、それ見てたなら

 木沢長政を殺して千貫を私によこしなさいよ」


三女 菫

「誰がやるか。

 それより、人が用を足してるところなんて

 見慣れてないから殺せないって。

 殺せるのは大姉(夜雀)だけよ。

 大姉は見慣れてるかもね(笑)」


スケベ大助次郎

「僕が毎日、目の前でするので見慣れてください」


三人娘、絶句。


三女 菫

「気持ち悪いんだけど。

 何、この人」


長女 葵

「変態でしょ」


次女 楓

「死ねカス」


騒ぎになり、慌ててスケベ大助の世話係の空曹が駆け寄ってくる。


空曹

「皆様、お騒がせしてすいませんでした。

 ほら、お前も謝れ」


空曹はスケベ大助次郎の頭を押さえ、

無理やり頭を下げさせる。


長女 葵

「わかった。

 この人、黒田リンさんに接近禁止命令を出された変態だよ」


三女 菫

「じゃあ黒田リンさん呼んで来て、

 こいつ蝦夷地に飛ばしちゃおうぜ」


次女 楓

「こんなのに関わっちゃダメよ。

 死ねカス!!」


三人娘はそのまま立ち去り、

空曹とスケベ大助次郎だけが残された。


<人を育てる>


空曹は大きくため息をつく。


空曹

「なんでお前は、そうなんだ。

 いつもちゃんとしろって言っているだろう」


スケベ大助次郎

「だって、しょうがないじゃないですか。

 俺は女の子が大好きなんですから」


親指を立て、片目をつぶる。

白い歯が、キラリと光った。


空曹は思う。

――こいつ、本当に蝦夷地に飛ばすしかないな。


俺は空曹から報告を受けた。

空教(殺人教団)から、初の破門となったスケベ大助次郎。

本当に蝦夷地に飛ばして熊と結婚させようか。

……とりあえず、保留だ。


六時間後、菊姫が到着した。

十九時頃だ。


皆で慰労会を兼ねた夕食を取る。

俺は菊姫や宇佐美に、全体状況を説明した。


菊姫は戦場の話に慣れておらず、

新鮮だったらしく、次々と質問してくる。

俺は逐一、説明した。


菊姫

「私が、もし正室の立場で敵に捕まっていたら、

 どういう行動を取るのが正解なの?」


「一番の不正解から言うと、

 正室が勝手に死ぬことだ。

 一番の正解は、とにかく生きることに頭を使うことだ」


菊姫

「龍義様が、木沢長政の立場なら、どうしていた?」


「時間が来ても、

 そう簡単には人質を殺さないと読む。


 最初に殺すとすれば家老、次に側室。

 一人殺してから、最低でも三、四時間は空ける。

 そうでないと、敵を自分の意図通りに動かせない。


 だから俺は悪いが、家老の命は切り捨てる。

 戦場に到着する二時間ほど手前で軍を休ませ、

 三時間ほど休憩を取る。


 それで体力は六割ほど回復する。

 そうなれば、兵数は二倍。

 負けることはない。


 相手方の兵か大将を人質に取り、

 正室、側室、子供と交換して和議を結ぶ」


鶴姫

「私と子供は助かるのね」


菊姫

「私も助かる」


宇佐美

「死ぬのは私ですな(笑)」


「宇佐美なら、もっと上手くやる。

 心配はしていないよ」


いつの間にか、

柿崎、馬場、雷蔵、風馬、水斗が集まり、

勉強会のようになって夜は更けていった。


夕食会の後、

俺は小島弥太郎を自室に呼ぶ。

隣には菊姫がいた。


「夜分遅くにすまんな。

 弥太郎が家を興すにあたり、足りないものは部下だ。


 志村は高木という部下がいたから、

 家を興すことを許した。


 弥太郎には、

 人を育てるということを意識してほしい。


 そこでだ。

 弥太郎に、一人育ててほしい者がいる。

 ……入ってこい」


大助次郎

「失礼します」


小島弥太郎は、目を見開いた。


小島弥太郎

「例の問題児ですね」


「問題児だ。

 だが、このスケベは戦闘力はある。


 蝦夷地で熊と結婚させるのは惜しい。

 このスケベを一人前に出来れば、

 弥太郎には人を育てる能力があると見て、

 人をどんどん付けていこう」


小島弥太郎

「若様、わかりました。

 大助次郎よ。

 今日から俺とお前は兄弟分だ。


 俺はお前を弟として、厳しく躾ける。

 若様、見届け人になって下さい」


「わかった。

 儀式を用意させよう」


こういう時でも、

大助次郎は俺の隣の菊姫をチラチラ見ている。

特に、顔のあたりを。


儀式が終わり、

小島弥太郎と大助次郎は退室した。


菊姫

「何あの人。

 私の顔ばかり見てたわ。

 気づかないとでも思っているのかしら。


 女の人を世話してあげようと思ってたけど、

 やめたわ」


菊姫は、はっきりとご立腹だ。


「まあ、そう怒らないでおくれ。

 国のために命を捨ててくれる、大事な兵士だ。

 あんなスケベでも、大事にしないとな」


菊姫

「確かにね。

 あのスケベをまともにしたら、

 小島弥太郎は人を育てる能力があると言っていいわね」


「だろ。

 小島弥太郎にとって、

 あのスケベは試練だろうが、頑張ってほしいな」


こうして、俺たちの夜は更けていく。


真面目な話をしている時は、

菊姫の乳母も、守役の安田も姿を見せない。

どこで、どうやって監視しているのか――

不思議なものだ。

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