表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「謙信の甥に転生! 龍馬の日本を戦国から始める」  作者: 27Be


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

138/287

第138話 1538年 8歳 木沢長政との決戦だぞ。

細川晴元から届いたのは、

木沢長政が五千を率いて京都へ進軍したという報せだった。


正面から追えば数で劣る。

勝ち目はない。


ならば狙うべきは、留守となる居城――普門寺城。


徹夜で引き返す敵を、

最も脆い瞬間で叩く。


そして今、

その敵は目の前にいる。

明け方四時、普門寺城を出発する。

五時、淀川近く――勝龍寺城南の平地に到着した。


勝龍寺城は細川晴元の配下が領主をしているため、こちらの味方だ。

木沢長政が京都から自らの居城・普門寺城へ戻るには、必ずこの地を通る。


前日に、長弓兵用の高さ三メートルの踏み台を設置してある。

赤目に命じ、木沢長政が放った物見はすべて始末済みだ。


三人娘も戻ってきている。

暗殺は不可能だったらしい。

後で聞くと、見張りだらけでとても近づけなかったとのことだ。

――まあ、当然だろう。


<布陣>


我々は重装歩兵を横陣二列で配置し、最後列に長弓兵百名を置いた。


高さ五メートルの物見台――

長い脚立のような構造の上には、視力が推定十の加地兄弟が二人で登り、三百六十度を監視する。


物見台の支柱役は、高井と浜本だ。


朝六時。

木沢長政が、我々を視界に捉えた。


木沢長政軍は紡錘陣形を取り、中央突破を狙ってくる。


射程の長い長弓兵から、敵中央へ矢を集中させる。

重装歩兵一列目は中央のみ盾と槍を構え、左右は半弓を射たせた。


敵の進撃速度が、目に見えて落ちていく。

それでも、射つ。


敵の士気が急激に下がっているのが分かる。

前日の夜から、徹夜で行軍しているのだ。


――徹夜して勢いがあるのは、最初だけ。

これは戦の鉄則である。


敵兵が三分の二まで減ったところで、重装歩兵に命じる。

半弓を背中のフックに掛け、盾と片手十字槍へ装備変更。


約一分後、重装歩兵を前進させた。

敵が、はっきりと恐怖している。


『者ども、死ねや』


激を飛ばしていた木沢長政軍の隊長は、真っ先に長弓兵の餌食となった。


長弓は、和弓の三倍の射程を持つ。

踏み台から放たれた矢は、百メートル先の顔を貫く。


七十キロの弦を引き、弓自体の重量も四十キロを超える。

選ばれし者だけが扱える弓――それが長弓だ。


よって長弓兵は、全員が身長百八十センチ以上の屈強な者ばかりである。


そんな長弓兵に狙われるのだ。

威力は、凄まじい。


目や顔に矢が突き立つ光景に、木沢長政軍の兵は恐怖するしかない。

見たこともない弓の威力が、確実に士気を削っていく。


矢雨は、十分に続いた。


<崩壊>


重装歩兵が木沢長政軍と衝突すると、敵は明らかに逃げ腰だった。


そこへ――

後方から軽騎兵が突撃する。


木沢長政軍は、完全に崩壊した。


【天王山 麓】


          ▲

          ▲ (退路遮断)

          ▲


────────────────────────

  軽騎兵 500  →→→ 【後背突撃】


────────────────────────

      木沢長政軍(約5,000)

     [紡錘陣形・中央突破]

       ↓↓↓↓↓


────────────────────────

    矢雨集中(長弓100)

    =========

    踏み台(高さ3m)


────────────────────────

 重装歩兵(横陣2列)

 [盾+片手十字槍]

 中央のみ防御、左右は半弓


────────────────────────

    物見台(高さ5m)

  加地兄弟(視界360度)

   ↑   ↑

  高井  浜本(支柱)


────────────────────────

     淀川 北岸 平原

     (幅800m〜1km)



唯一、木沢長政だけが盾兵に囲まれ、必死に激を飛ばしている。


その時――

軽騎兵隊長・小島弥太郎が、単騎でするすると敵兵をすり抜けた。


片手十字槍で喉を突き、

続けて愛用の鎧通しで、木沢長政の首を掻き切る。


小島弥太郎

「お前らの主人、木沢長政は死んだ。

 武器を捨てろ。降伏しろ」


大声が、戦場に響く。


敵兵は次々と武器を捨て、降伏の意思を示した。


――敵が武器を捨て、隊長の許可が下りるまで攻撃を続ける。

それが、俺の軍のルールだ。


だが今回は、降伏を許す。


敵は我々とほぼ同数、二千人以上が生き残っている。

極めて珍しい例であり、歴史に残るだろう。


今回の勝因は明確だ。

徹夜行軍で疲労が極限に達したところを、正確に突けたこと。


雷蔵を呼び、船にいる菊姫、鶴姫、宇佐美を普門寺城へ連れてくるよう命じる。

護衛は、元気な軽騎兵五百名だ。


戦後処理には、相当な時間を要した。

二千人もの捕虜がいる。


勝龍寺城へ千五百人を預け、

生き残った隊長格、体格が良く従順そうな兵を選別する。


――三百人。

俺の軍にスカウトした。


全員、次男・三男で独身の若い男だ。

直江津へ連れ帰り、訓練を施すことにする。

ここまでお読みいただき、ありがとうございます!

「面白かった!」「続きが気になる!」と思っていただけたら、

ブックマークや、評価ポイントの☆☆☆☆☆を★★★★★にして

応援していただけると、とても励みになります。


皆様のブックマークと評価が、

今後の更新の大きなモチベーションになっています。

どうぞ、よろしくお願いいたします!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ