あきらくんと愉快な仲間たち みんなで逃げたカミナリを捕まえろ!
あきらがカミナリを捕まえたということで、龍二たちはみんなでカミナリを見に、あきらの家に行くことになる。
「あのさぁ、龍ちゃん。いまから俺の家くるねー。昨日カミナリつかまえたからさー」
「えっ?あきらくんカミナリって?」
龍二は、カミナリを知らなかった。
「あげっ、なんでー龍ちゃん、カミナリ知らないわけ?」
あきらは、龍二の顔をのぞきこむよう仕草で、得意気だ。
「ぶんじー、あきらくんまたいってるよー、たぶん嘘だはずよ」
「ガッパイ、そんなこといったらだめさー。もしさー、ほんとうだったらさー、どうするんだよ。とりあえずさ、みんなであきらくんとこいってみようねー。それでいいよねーみんなー」
「ワーイワーイ、見たい見たいカミナリ見たい」
エーミは飛びはねて喜んだ。
「龍ちゃんさー、しまに来たばっかりだしさー、みんなで俺の家にきたらいいさー」
「なぁなぁぶんじー、カミナリってなになに?おしえてやー」
龍二は、みんなのなかで一番かしこそうなぶんじに聞いた。
「それはさー龍ちゃん。このしまにはさー、台風っていうマジムン(魔物)がいるんだけどさ、特に夏に出るんだよ」
みんな真剣な顔でうなずいている。
「へー、それで台風って?」
大阪にいたせいか龍二は台風を知らなかった。
「そっかー、龍ちゃんは台風も知らないのかー」
ぶんじは困った顔になりながら
「台風ってさー、人間が悪いことすると出てくるんだよ。風に嵐、そんでもって、雨もいっぱい降らすんだ。そんときさ、ものすごい音で光るものがいるわけさー、それがカミナリっていうんだよ。そうだよね、あきらくん」
「えっ、おれかよ。どぅまんぎるさーね(びっくりする)。まぁ、そ、そんなとこかな」
あきらは急に自分にふられあわてふためいた。
あきらの家に着いた。
「ここでちょっとまってて」
そういうと、あきらは家の奥へと消えていった。
屋根にはシーサーが堂々とこの家を見守っている。
しばらくするとあきらは現れた。
「おかしいさー」
あきらは首をかしげながら出てきた。
「どうしたん?カミナリは」
龍二はきいた。
「今朝までいたんだけどさー・・・」
右手にふた、左手にビンを持った格好だ。
「ちぇっ、せっかくつかまえたのにさ、残念残念。母ちゃん逃がしたなー。あれほど見張っとくようにいったのにさ、まあ逃げたものにはしかたないか」
あきらには悪びれたそぶりもない。母親のせいにしている。
「ぶんじー、やっぱりうそだはずよー。ぶんじーがいうからさ、ついてきたんだよ。そうだよねー、エーミ」
ガッパイは泣きそうな声でいうと
「そ、そうだよーぶんじー」
エーミも泣きそうな声でいった。
「うん、わかったよ。でもさー、本当だったらさ、あきらくんかわいそうさね」
「・・・・」
二人はだまっていた。
ぶんじには、最初からわかってたのかも知れない。家が近いせいか、みんな仲良くしたかったのだろう。
「あきらくん、今日のとこは帰ろうね。ガッパイ、エーミ、そろそろ帰ろう」
三人が帰りかけようとしたとき
「ぶんじー、僕もうちょっと探してみるよ」
「えっ?」
ぶんじは不思議そうにふりかえった。
「カミナリカミナリ、あきらくんとふたりで探すねん。なっ、あきらくん」
龍二は、逃げたカミナリがまだ近くにいると信じていた。
「う、うん・・・。」
あきらの声に元気がない。
「今日中につかまえるでー。明日みんなで見にきてやー」
元気な声で龍二はいった。
「うん、わかった。龍ちゃんまだ信じてるよ」
さすがにぶんじたち三人はあきれたように帰っていった。




