夜の古宇利島は神秘的だ!
その日の晩、龍二とカイトは古宇利島に向かった。
「カイトー、ここ見たことあるような気がするねんけど」
龍二はそういうと空中でとまった。
「そうやろう。そりゃー見たことあるはずやわー、ここ龍ちゃんがおぼれかけたとこやもんなー。なー龍ちゃん、あの秘密の場所やで」
「カイトーからかわんといてーや。僕マジやってんでー、まさか遠浅やおもわへんもん」
「龍ちゃん龍ちゃん、顔真っ赤やでー、僕といっしょや」
カイトは大笑いしながら下におりていった。
「龍ちゃーん、ここまでおりてきてやー。いまやったらー、海歩けるでー」
「わかったー、今行くー」
「龍ちゃんやってみてや、あきらにいわれたとおりに」
龍二は、あの時の緊張感はもうなかった。カイトに出会ってなければ、こんな体験できなかっただろう。
「カイトー」
「なんや?」
「・・・」
「なんやねんニヤニヤして、気持ち悪いなー。なんかゆいな」
「・・・ありがとう。でも、やっとあきらくんの気持ちわかったわ」
「えっ、気持ちって?」
「今の僕の気持ちや!こんなに気持ちがいいもんやねって」
龍二はそういうと、気持ちよう海の上を歩いていった。
(ふー、またあきらかー!こないなったらとことんあきらの面倒みたらなあかんなー)
夜の古宇利島は神秘的だ。まるでちがう世界のようだ。
「なーなーカイト、ニライカナイってこんなかんじ?」
「そやなー、僕もいったことないからなー!言ってみなわからんわ。でもこれ以上や思うで、聞いたはなしやけどな」
カイトはそういいながら海の中に潜っていった!しばらくすると両手からこぼれそうなぐらい貝をとってきた。
「龍ちゃん、これがキナンジャーやで」
カイトはそういうと、バリバリと音たてながら食べ始めた。
「げっ、カイトなにすんねん!殻ごと食べてるやん。でも美味しそうに食べるなー!」
龍二はビックリしながらもうらやましそうに見ている。
「あー、うまかったー!やっとおなかいっぱいになったわ!」
カイトは満足気にいった。
「カイトー、僕にもちょうだいやー」
「無理無理―、龍ちゃんには無理やわ。前に言うたやろう?僕らは殻ごと食うけど、龍ちゃんら人間には無理やで!」
「えー?そうなんやー!ほんなしゃーないなー。カイトー、僕にも食えるもんないの?」
「その前にこの島探検しようか?ここほんまにおもろいで」
「したい、したい。探検したい!僕、なんか食べるものさがすわ」
しばらく島の空を飛んでいると、龍二は何かを見つけた!
「あったー、あったでカイト!あれ見て、スイカやースイカ、僕の大好物スイカがいっぱい転がっているー!」
「あかんあかん、龍ちゃんこれはあかんでー!」
「えーっ!なんでー、なんであかんのー?」
「このスイカはあかんねん。このスイカは人のもんやねん!」
「人のもんって?だってここ無人島ちがうの?」
古宇利島はもちろん無人島ではないが、龍二はあきらに言われたことを今でも信じていた。
「まー、ちょっと前まではな!でもあきらが鬼全部退治したんやろう?ほんでしばらくして、人間が住み着いていったんやと思うねんけどな!」
カイトは、苦しまぎれにただとぼけるしかなかった。
「そっかー、ほんで家あるんやー。ふーん!」
(よかったー!ちっ、あきらのボケが!)
カイトはほっとしたように、ふーっとため息をついた。
「ほんならこうしようや!僕がいっぱい魚取ってくるから、スイカの代わりに魚をおいて帰ろう!新鮮な魚をな!そやな、ミーバイとグルクンにしようか。それやったら泥棒にはならんやろう!それにスイカひとつのかわりに、新鮮な魚がいっぱいおいとったら、かえって喜ぶかもしれへんで!」
カイトは、苦しまぎれにいったつもりなのだが!
「そうやなー、それやったらぶつぶつ交換やしなー、泥棒にはなれへんなー!」
しかしそれは龍二の勝ってな口実だとカイトは思ったが、そこは龍二の考えに尊重しょうとしかたなく思った。




