空の冒険 5 僕たちの小学校、天底小学校!
「龍ちゃんここどこ?」
ぶんじは聞いた。夜高いところから見るとわかりにくいのだろう。
「どこやとおもう?ぶんじー、みんなー」
龍二は、先日のカイトとに聞かれた時とまったく同じ事をみんなにいった。カイトとはじめて空を飛んだ時のように
「わかんないさー、ちっちゃくてさー」
「そうやろうぶんじー」
龍二はそういうと、にやっとわらった。
「みんなー、ついてきてやー」
そういうと龍二は下におりていった。
「おーいまたねー、なんでまたおれだけおいていくんだよー」
あきらはなんとか空中に浮くことはできたが、自分では移動することができなかった。
(カイトー、なにしてんのー!あきらくんなんとかたのむワー)
(龍ちゃんごめんごめん!うっかりしとったワ。しかし、めんどうくさいやっちゃやわーほんまに)
カイトはみんなにつられながらあきらのえりくびをもつと下におりていった。
「このへんまできたらわかるやろう、みんなー」
龍二はうれしかった。自然にゼスチャーも大きくなっていた。
「わかったーっ」
ぶんじが叫ぶと
「あたしもーっ」
「ぼくもー」
エーミもガッパイも叫んだ。
「だからようもう!なんでー、なんでおれだけわからんわけ?」
「あきらくん、あれ見てわからんねー」
ぶんじはあきれたようにいった。
「だからよう、わからんいってるさー」
あきらはふてくされた。
「あきらくん、まだわからんの?あれ学校さー、みんながかよってる天底小学校だよー。ほら、右が体育間で、それに左が二年の教室さーね」
エーミは、指をさして説明した。
「だいたいわかってたんだけどさ、まちがってたらかっこわるいさーね」
あいかわらずあきらは往生際が悪い。
(こいつほんまむかつくなー、もっと素直になれっちゅうねん)
カイトは、ちらっと龍二をみていった。しかし、龍二はニコニコ笑ってるだけだった。それをみてカイトも、苦笑いするしかなかった。
校舎の正面には、がじゅまるの木が存在を示すかのように、堂々と立ちはだかっている。カイトによると、このがじゅまるの木には、もともときじむなーは住み着いていないという。昼間、子供の声がうるさくて寝むれないらしい。それにしても、みごとながじゅまるの木である。
「なーなーみんなー、空中サッカーせーへんか?」
龍二は、いつのまにサッカーボールをもっていた。
「やろうやろう、おもしろそうさー。龍ちゃんの考える事、しに(ほんとに)すごいねー」
ぶんじの中では、いつのまに龍二がリーダーになっていた。
「ほんならはじめるでー、みんな輪になってやー」
龍二の指示でみんな輪なった。
「なんで龍ちゃんがリーダーぶるわけ?」
「ごめんごめんあきらくん、そんなつもりじゃないねんけどな」
「いーさーあきらくん。龍ちゃんにいわれたとおりしたほうがおもしろそうさー。だってさ、龍ちゃんのおかげでこんな楽しい冒険できるんだからさー」
「だーるだーる(そうだそうだ)、ぶんじーのいう通りさー。そうだよねガッパイ」
ガッパイはうんうんとうなずいた。
(わじわじするさー、ふん!)
あきらは、なぜか龍二がリーダーになるのがゆるせなかった。
「下にボールを落としたほうがまけやでー」
龍二はそういうと、ボールをおもいきり蹴った。高くあがったボールはぶんじの真正面に落ちてきた。ぶんじも、そのボールをおもいきり蹴り上げた。そのボールがあきらの頭の上を超えようとした時、ボールが直角にあきらの前に落ちてきた。もちろんあきらにはボールを取ることができない。しかしなぜか、ボールがあきらの手中にあった。
(カイトー、ありがとう!)
龍二はカイトにむかってVサインした。
(こいつ動けないからさ、ほっとくとまたすねるやろう)
カイトも、龍二のおかげでなんとかあきらの扱いがわかってきた。そうこうするうちに時間だけが過ぎていった。
(龍ちゃん、そろそろあきらの念がきれそうやわ。完全にきれたらやっかいな事になるねん。あきらひとりでかえらなあかんようになるから)
(カイトーわかったー。ぼくもちょっと疲れてきたわ。初めてのことで頑張りすぎたわー)
龍二はカイトに感謝しかなかった。
「ほんならみんなー、今日は帰ろうかー」
みんなもなれないことで疲れたのか、返事に元気がなかった。




