空の冒険 3
「ぶんじー、みんなー、こっちまでおいでやー」
みんなは、龍二の大きな声でやっと我にかえった。
「なにぼーっとしてねんねんなー、はようこっちまでこいやー」
「龍ちゃーんどうやってそっちまでいったらいいのー?」
ぶんじがいうと、龍二はにやっと笑った。
「あのなーぶんじー、ようきいてやー。歩く時ってなんかかんがえるかー、なんにも考えへんやろう?いつもの歩く気もちで、こっちまできたらいいねん」
(それって、僕が龍ちゃんにいうたことやん)
(まぁまぁカイト、えーがなえーがな)
龍二はおどけてみせた。するとぶんじが空中に浮いた。ガッパイとエーミもぶんじにつづいた。
「ぶんじー、その調子やー、その調子でこっちまでおいでやー」
「龍ちゃんほんとに飛んでるよー」
少しぎこちないが、3人とも龍二のいる場所まできた。
「あれっ、あきらくんは?」
龍二はまわりを見渡しながら聞いた。
「ほんとだ、あきらくんがいないさー」
みんなもまわりを見た。
「おーい!なんでおれだけおいてけぼりにするんだよー」
あきらはまだ腰がぬけた状態のままだった。高いところから見るとあきらが小さく見える。
「ぶんじー、あきらくんにはやくこっちまでくるようにいうてやー!」
龍二は、ぶんじに言ってもらったほうがあきらは素直になれると思った。
「わかったよ龍ちゃん。あきらくーん、いつまですわってるねー!いいかげんこっちまできたらいいさー」
もちろんみんなは、あきらが自分の力で飛べない事をしらない。
(カイトー、あきらくんなんとかなれへん?)
(わかってるねん龍ちゃん、もうやってるでー)
カイトはあきらのえりくびをもつと、ふわっと浮いた。するとあきらはびっくりしたようにあばれだした。怖かったのだ。
(こいつなんであばれんねん、めっちゃうっとうしいなー!手はなしたろうか)
カイトはそう言いながらも、なんとかみんなのところまで連れてきた。
(カイトごめんごめん。でもありがとうな)
あきらはみんなの前ではおとなしくなっていたが、なんとか強がってみせている。
「さーみんなー、6にんあつまったことやし」
「だからよー、龍ちゃんなにが6にんねー、いゃー(おまえ)は人数もかぞえられないのかー!でーじ(大変)さーもう!」
あきらはばかにしたようにいうと
「ごめんごめんあきらくん、5にんやったわ」
龍二はカイトもいれて6人のつもりだったのだが、ごめんと言いながら舌をペロッと出した。
「さーみんなー、これにつかまって」
龍二は、まえもって家から細いロープを持ってきていた。
「ほんなら、夢の世界へ冒険やー。出発進行」
龍二は叫ぶと、順番にロープにつかまり、龍二が先頭になってぶんじにエーミ、そしてガッパイあきらと順番に飛んでいった。もちろんあきらにはカイトがついていた。
しばらく飛んでいると、龍二は急に止まった。あきらはガッパイにぶつかった。
「あがっ、(痛い)どぅまんぎたさー(びっくりしたさー)龍ちゃん、なんで急に止まるわけ?いたいさーねー!」
(こいつ文句ばっかりやなー、めっちゃどんくさいワ!なー龍ちゃん。・・・龍ちゃんって)
すると龍二は
「あれ、せいじんおじいちゃーうん?」
龍二は下の方を指さしていた。そこはうぷんじゃー(仲宗根)の繁華街だった。繁華街といってもごく小さな街である。
誠仁おじいというのは酒飲んでは暴れる、手のつけられないおじいさんであった。
老人のわりには体も大きく、龍二たち子供から見ると、なんとまじむん(魔物)のようであった。
その誠仁おじいは、うぷんじゃーの街で飲み屋の客と揉めていた。杖を振り回し大声でわめきちらし、もうどうにもならない状況になっていた。
店のママらしき女の人が必死に止めている。




