空の冒険 2 あきらは念がかかりにくい
次の日龍二は、夏休みの宿題を持ってあきらの家に向かった。ぶんじ達も誘った。
「龍ちゃん遅いねー、子供のくせにうちなータイムかー。遅れる人の気持ち、おれにはわからんさーね」
(自分はいつも遅れるくせに)
(だからよ、自分の家だから遅れなくてもいいわけさーね)
ぶんじとガッパイは、目と目で合図していた。
「ごめんごめん、お詫びにみんなに面白い話があるねん」
「えー龍ちゃん、どうせお前の面白い話ってたいした事ないはずよー。なーぶんじー」
「まぁまぁあきらくん、そんな事より宿題宿題。早く宿題終わらせて、龍ちゃんの面白い話ってきこうよ。ねっ、みんな」
「ききたいききたい、早く宿題終わらそう終わらそう」
ガッパイもエーミも宿題をいそいだ。
(ふん!ぶんじーがそういうんだったらしかたないから宿題でもすっか)
あきらはすねたように、ぶつぶついっている。
宿題が終わると、龍二はみんなを誘って、がじゅまるの木のある場所にいった。
「みんなきいてきいて!晩御飯食べたらこの場所に集合せーへん?みんなでなぁ、夢の世界へ冒険しよう思ってんねん」
「なんでかねー、龍ちゃん。いゃー、ふりむん(お前、おかしく)になったんじゃないねー。夢の世界なんかいけるわけないさー」
「まぁまぁあきらくん、それって面白そうさー。夢の世界だよう。ねぇねぇガッパイにエーミ、面白そうさーね」
「そうだようあきらくん、面白そうだよー」
(ふん、どうせ嘘にきまってるさ!そのうち化けの皮がはがれるにきまってるよ。楽しみさーね)
あきらはぶつぶつつぶやいた。
「ほんなら決まりやね。晩御飯食べたらまたこの場所に集合やで」
龍二がそういうとみんな帰っていった。
一時間後
「龍ちゃん早いね」
「あっ、ぶんじーにみんなー、僕ちょっと早かったー」
「こいつ、昼間はうちなータイムだのにさ、なんで夜になったら早いんだよっ。お前は夜男か」
「まぁまぁあきらくん、今日は龍ちゃんが主役だからさ、はやく夢の世界にいきたいさーねー。ねーガッパイにエーミ」
「そうだよー、だから楽しみにきたんだよ。ねーエーミ」
「そうだー、はやく夢の世界にいきたーい」
とりあえず、あきら以外は龍二のいう事を信じていた。
「わかったわかった。でもな、もうはじまってんねんで」
「えっ、龍ちゃんはじまってるってどういうことねー?」
ぶんじは不思議に思った。
「もう、夢の世界に入ってるって事やねん」
「やっぱり、ふらーになってるさこいつ、頭おかしくなったんじゃねーか」
あきらは人差し指を頭の横にあて、くるくる回す格好をした。しかし他の三人は興味津々に聞いている。すると龍二は、いきなり空中に浮いて見せた。
(えーっ、いきなりかー龍ちゃん)
カイトは、龍二の突然の行動にびっくりした。
(えっ、カイトおかしかった?)
(まぁ、いいねんけどな。それにしても龍ちゃんらしいわ)
その時あきらは腰砕けになりしりもちついていた。ぶんじ達は口があいた状態で、呆然と龍二を見上げてる。
(カイトー、今のうちやみんなに念かけてや)
(そやな、今がチャンスやな。龍ちゃん、それにしてもこうなる事予想してたんか?)
カイトは首をひねった。龍二のやる事すべてが計算ずくにみえた。
(偶然や偶然。僕、なんにも考えてないから)
カイトはたすかった。どうやって念をかけようか悩んでいたのだ。それに、今の状況でしか念をかけるチャンスがなかったのだ。
カイトは急いで念をかけはじめた。ぶんじ、ガッパイ、エーミとたてつづけに念をかけた。三にんはすぐかかった。
しかし
(後はこいつやな。こまったなぁ、こいつめっちゃやっかいやで!心がけがれてるからな)
一応あきらにも念をかけてみた。けっこう時間がかかった。
(龍ちゃん、これが限界や。これ以上は無理やで!うまい事かからんわ)
(えー、あきらくんあかんの?)
(いや、あかん事もないけどな、でもひとりではうまく飛ばれへんで。僕がずっとついとくけどな。それにみんなよりも、念が切れるん早いおもうわ)
(わかったー。でも、一応飛べるんやろう)
(なんとかな、でも僕と龍ちゃんとでいろいろ協力しなあかんけど)
(はーいカイトー、僕めっちゃ協力するわー。なんでもいうてやー。それにしてもなんか緊張してきたわー)
龍二とカイトは、お互い協力し合うことで、この先みんなとどんな冒険になるか楽しみであり、そして不安でもあった。




