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約500文字の毎日  作者: 端役 あるく


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止まらないエレベーター


 恋はジェットコースター、などという輩がいる。これは違うと僕は思っていた。ぼんやりとだが。


 エレベーターは上へ向かっていた。会社のエレベーター、搭乗者は1人。


 ある階で止まる。


「やぁ、おはよう」同期の同僚の声がしたのでスマホから顔を持ち上げる。


「おはよう」


「すぐオフィス戻る?」同僚は人差し指と中指を立ててひょいひょいと振る。


「辞めろって言われてるんだ、タバコ」


「彼女?」


「そうだ」


 この取り決めをしたのは随分と昔だった。タバコを匂いが嫌だからという理由で止められた。ずっと自然と吸っていなかったが、この時はその取り決めが頭に出てきた。


 ゆっくりとエレベーターは昇る。止まることはなく着実に進んでいる。


「長いよな、彼女」


「まぁな」


「良いじゃないか」


「長いだけだ。ひどいことも言われる」


「例えば?」


「浮気したいとか、他の誰々が好きだとか。機嫌が悪ければ無視をするが、無視されるのは嫌だとか」


「それは酷いな。別れないのか?」


「本当にもう降りたいのだがな」


 昇るエレベーターの中で一つ、スマホが揺れた。


「彼女か?」


「そうだ、こっちから始めた会話の返信だけどな」


「なんて言ってる?」


「嫌だとさ」


「何が?」


「さぁ、どういうことだろう。オフィスの一つ下の階で俺も降りる」


「彼女との約束はどうした?」


「まぁ良いんだ。降りた者勝ち」


「よく分からんな」


 そう言いながら、2人は喫煙所へと向かった。エレベーターは1人でに上へと向かい続ける。

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