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約500文字の毎日  作者: 端役 あるく


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静まり返った図書室の貸出表


 本を読まない。活字を読むというのが苦手で、その上読書通特有の入り込むという表現が理解できない。いつだって自分の耳には道路に走る四輪車のアクセルが響くし、時計の針が動いているのが見ずとも分かる。


 図書室というのとはかなりの時間無縁だった。運動をしない人間が市民体育館を利用することに対して経験なくオロオロとしてしまうように、私は図書室に入ることにかなりの躊躇を覚えていた。


「では図書委員の活動として『1人一冊読書を行い、その感想文を図書室に掲示する』を行いたいと思います」図書委員のまとめ役なる人物がそう言って、パチパチと小さな拍手が起こった。


 私はなんとなくぼーっと聞いている。図書委員にあたりはしたが、押し付けられたようなものだった。まぁ、こういうのでも良いじゃないか。押し付けられでも役割があるだけで。


 パラパラと本を捲る。背表紙を見て、随分と難しそうな本だなと思って、すぐ見て開いてすぐ戻す。書籍の字の小ささに目を丸くする。


 ある本が目についた。装丁は厚く丁寧で、重量感が見ても伝わるような本だった。こういうのってカッコいいかも、読みきれなそうだけれど。


 その時、書き出しカードが落ちた。私は拾い上げて、その羅列された名前を見る。同じ人が1週間ごとに借りている。名前は友達のものだった。


 少し考えて。私はその本を借りることにした。


 20ページを読んだ。感想文は続々と提出されているらしい。スタンドライトの中、他は暗闇。


 文字を追う。

 

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