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約500文字の毎日  作者: 端役 あるく


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雨垂れ残るバス停のベンチ


 春。スカートから雨水が滴る。ローファーもびちゃびちゃ。傘もなく、私のせいでバス停のベンチも濡れる。


 運行表を横目で確認する。何かに似ているぐらいの密度だ。雨滴る私を待たせるなんて、仕事ができないねと思う。けれど、既視感が私のテストの丸の数みたいだと思い出して、ダメじゃないと言ってやりたい気持ちになる。


 春雨は長く続く。雨足は強いわけでは無い、バス停の屋根に逃げ込んだ今はほとんど降っていないみたいに弱い。


 これくらいの雨ならもう歩いて行ったほうが到着自体は早いかも知れない。いや、それなら学校において来た自転車で帰れば良かったでは無いか。


 時間はあるけれど待てないほどでは無い。


 また降り出す雨。女心と秋の空。ふと、そんな言葉を思い出す。今日、国語の授業で言っていたんだ。春の空だって変わりやすいでは無いか、と鼻で音を鳴らす。


 女心だって、そんな風にまとめるのも変だ。そんな優柔不断みたいな言われ方、私には合わない気がする。


「家に帰ったら、いの一番に母親に聞こ。あの言葉って変だよねって」


 そんなことを考えている時、バスが来た。私は荷物を肩にかけて立ち上がり、その車窓を外から眺める。


 バスは発進した。私はまたバス停に座り込んでいた。


 心臓が痛い。顔が熱い。音が耳に鳴り響き。鏡を出して顔と前髪を確認する。深呼吸をする。けれど車窓に見えた横顔の高鳴りが、また心を走らせる。


「やっぱり歩いて帰ろう、次のバスなんて待てない」そう言葉にして立ち上がる。あと、今日帰ったらいの一番に話そうと思う、なんでも話せる友達と。

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