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約500文字の毎日  作者: 端役 あるく


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消えかけた髭剃りの電気

 ポータブルの髭剃り、俺はそのスイッチを押す。ヴヴヴと動くそれを一瞬動かして、すぐ消す。その後、自分の手で顎を撫でる。針の返しの様になっている髭の様を無感情に。


 5日ほど髭を蓄えた顔を鏡で見ると、髭の黒が顔の白さを際立てて、ずっと顔色悪く映る。


 髭剃り機の電源をまた点ける。そして、肌に当てる。髭の返しに立ち向かう様に刃を進めていく、ズズズと入り込み始めて、肌が痛む。


 そんなこと思うのはいつぶりだろうか。髭剃りに肌の痛みを思うのは。バタバタと台風が通り過ぎる様な朝が自分の脳裏の中を駆け抜ける。稲を刈る様な髭剃り機、それ相応に強くなっていく浅黒い肌。


 俺は痛む肌のそれを軽く半分ほど剃り切ってから、ゆっくりと手を置く。化粧水などという間を埋める無粋など利用することは無い。ゼロ距離を。


 手の熱で膨らんだ肌が毛穴を広げて刺激する。それでも肌から手を離さない。


 味わう様にゆっくりと今の時間を感じる。そして1分ほど経った後、残りの髭をさっと剃り切る。最後の方には髭剃り機の電気が無くなって、止まる。


 電気切れの髭剃り機を見る。洗面台にあるコンセントを見る。


 俺はまた髭剃りの痛みを味わう。何度も、何度もそれを感じて。


 髭剃り機をコンセントに入れた。


 


 

 


 

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