表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
約500文字の毎日  作者: 端役 あるく


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

68/92

風の止まった風車の羽根

 凪、海は動きを止める。海に目を奪われていた私は急に現れた赤信号に動きを止める。ヒヤッとした体に汗がにじむ。自分の姿を見る。あ、そうか、今日は仕事着ではないのか。


 空色のワンピース、麦わら帽子。


 たまに私は海を訪れる。何気ない日、何も思わない日にこそ私は海へ出る。軽の荷台には少しの荷物を乗っけて。


「この浜は相変わらず風が弱いな」車の扉を押し閉じて、外の空気を感じる。冷たい空気。日差しも手を抜いている。


 パラソルにレジャーシート、海らしさを浜に置いていく。砂浜、赤白赤白赤白、砂浜。


 私はぐっと背中を伸ばすと、後ろに麦わら帽子が落ちた。それをのんびり拾うと、背景に広がる雄大な高原と風車が見える。


 風車は煉瓦造りのオランダをイメージするものではなく、まるでワイシャツを着込んだような風力発電のものだ。


 最近建てたのだろうか。景色とはミスマッチを感じた。けれど、私はどうにもそれを見つめていたい気になった。白い体はシャープにきっちりとしていて、けれど羽は一枚たりとも動かずにただそこにある。


 凪、今だけ動いていないだけ。


 私は持ってきたバスケットからサンドイッチを取り出す。噛み締める。レタスから水が滴り落ちて、トマトが酸味と甘みを主張する。ハムは甘く、手作りのソースが包む。


 私は思わず笑む。噛む。笑む。


 凪、私も風車も海も。


 


 


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ