深夜の駐車場の白線
火が落ちる。コンクリートに一瞬だけ争ってすぐに消える。所謂ヤンキー座りで駐車場に居座り、タバコの火を燻る。
午前4時。1番人生で長いと感じる時間。俺はタバコで時間の消費する。車を仕切る白線、それが目について咄嗟に頭を上げる。安曇野店という字がちらっとコンビニの張り紙に見える。また流れて、傾げた首はナンバープレートの大阪を見る。
遠い。
白線に自分の影が落ちている。小さな足、小さな靴。
「そこから落ちたら死ぬんだよ」友達の声。
「分かった」俺は真剣な表情をして体をやじろべえみたいにして歩く。左右に震える自分の体が悔しくて、毎日それを繰り返したのを覚えている。
白線の途切れはゴールである。
「おかえり」と母は言った。
その言葉を俺は無視をした。時は少し大きくなった足、靴で。バイトをして初めて買った単車をよくこの駐車場に置いていた。父にバレたら捨てられる事を知っていたから。
降りて白線を踏む。そして途切れて帰宅する。何もいつもと変わらない。
「おかえり」と母は言った。
今、白線を踏んでいる。タバコの火が落ちて、パスっと散る。午前4時とちょっと、本当にこの時間は特に時間の進みが悪い。
たばこが短くなる。空き箱を揺すって、握りしめる。
白線の上に立つ自分。最後の煙を吐き出しす。白線をまた見る。
俺は前を見なおす。すっと足は逸れて、先に進む。
「ただいま」初めて言った言葉の様に感じる。大きな足、大きな靴。静かな空気が落ちる。
ふっと息を吐く。下を向く。白線の途切れをまた思い出した、喪服の俺は。




