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約500文字の毎日  作者: 端役 あるく


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錆びついた観覧車の影


 『強風のある日は運転を見合わせております。ご了承ください』この文言に合わせて遊園地のキャラクターがぺこりと頭を下げている。


「乗れないんだって」


「なるほど」


 私は先に見た文言を彼に示す。


「風吹いてる?」


「僕は吹いてないと思う、少なくとも」


 私は少ししょぼくれる。しかしながら、動いていないものを動かせという様なことを言うのは違う。観覧車の高さで上下の風の強さに差があるのか、運転は見合わされている。


 パシャリ。

「ちょっと何撮ってるの」


「いや影見てみて」しゃがみ込んでいた私の下に観覧車の影が映り込む。


「乗っているみたいじゃないか?」


「まぁ、確かに」


「次来た時には乗れるといいね」


「うん」


 そう言って私はその日観覧車を諦めた。


「あなたの後ろ手に指輪があったなんて、その時は気づかなかったな」一枚の写真を見ながら私は言う。


「観覧車の上でプロポーズがお決まりだったんだよ、当時は」


「でも、今日は風はないよね」


「ないね、間違いなく無風に近いと思う」


私は一つの看板を見つめる。今度は二人同時に。『経年劣化のため、運転を見合わせております。ご了承ください』この文言に合わせて遊園地のキャラクターがぺこりと頭を下げていた。


 錆びついた観覧車の骨組み。確かにこれに乗るのは怖い。


「影はあるよ」


「2人で乗る?」


「うん」


 私達は観覧車の影に乗り込む。握られた後ろ手には指輪が2つ光る。


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