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約500文字の毎日  作者: 端役 あるく


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溶け残った氷の会話


 午後11時、部屋は熱源をいくつか失って急に温度を落とす。音源はまた同じ数減った。


 僕は空いた安酒の瓶を袋に詰める。ぶつかり合ってカラランという音がした。


「今日さー」僕は1人で言葉を作る。部屋にその音は弾まない。何かすれた気持ちになってしまって、口を噤んでスマホで音楽をかける。


 何が良いかなって考えて、歌詞のないものを選ぶ。音楽に揺れ、自分が使ったものではないコップやら箸やらの食器を洗い終えると僕は半畳ほどのこの小さな食卓に回帰する。


 僕のコップの中には先ほど消費しきれなかった氷が今も水を冷やし続ける。それを見て、実家の働き者のルンバに向けるような気持ちになって僕はコップの淵を撫でる。


 中に残る炭酸水にレモンサワーの安い原液を溶かし込むと、自分の仕事を思い出したかのように気泡がプラスチックに張り付く。パチパチと弾ける音。弾む。


「今日さー」僕の言葉にパチパチと気泡が弾ける。


「今日さー、楽しかったよなぁ。次はいつ集まれるかねぇ、地元で集まるのは難しいだろうし。みんな、それぞれの仕事も忙しいだろう、半年後とか」僕はぐっとレモンサワーを呷る。


 熱源がぐっと熱くなる。音源はパチパチと多分に。


 言葉が弾ける。氷のある限り。


「それでさー」

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