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約500文字の毎日  作者: 端役 あるく


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壊れた体温計


 倦怠感。起き上がる体に空気がのしかかる。朝、起きなければならない。出勤の準備と朝食。


 加湿器の音だけが部屋の中を占める。それ以外の音はカーテンと私が許さない。そうしていると時間がゆっくり進む様な気がするから。


 胸のざわめきが聞こえ始める頃に私は初めてスマホを持ち上げる。ホーム画面に種々様々なアイコンの主張、私は振り切ってポッドキャストを押す。


 唯一、聞いているラジオ風の配信。毎朝新たな情報を流す。


 体が重い。耳の中がぼんやりとしている。もしかして体調悪いのかな。そう思って体温計を取り出し、使う。


 ピピピという音がラジオを邪魔する。なるほど。


 私は準備を進める。もたつく足をふらふらと進ませながら、頭を完全にオートにして何も考えない様に心がける。


 時間は8時。そろそろ出ないといけない。そういえば、朝食を食べるのを忘れていた。胸のつっかえがある気がして辞めた。


 一歩、玄関に近づく。また一歩。


 言葉よりもずっと早く体は動いている。ずっと滞りなく進み続けている。ふと、今日燃えるゴミの回収日だったことを思い出す。鼻腔が巡る。腐る。


 足が崩れた。何か歯止めになって。頭を使って、やってしまった。


 倦怠感。気管支あたりの胸の重り。


 体温計は36.5℃を示す。何かが壊れている。多分体温計。

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