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約500文字の毎日  作者: 端役 あるく


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約束のない待ち合わせ


 古いデジカメのカメラロールを見る。あの頃の僕たちと言えば、その様は水に浮かぶ油みたいで。何かきっかけがあると寄ったり、また理由もなく離れたりしていた。


 いつから共に登校していただろうか。小学校の時、1番近くだったからという理由で僕と友人とは仲良くなった。学校への道順も同じで僕の方がやや短い。


 やってくる友人と「おはよう」と挨拶してはそのまま横並びで歩く。記憶に残らないくらい他愛無い話をした。はたまた記憶に残らないくらい、何でも話したか。


 中学に上がると、登校の道が少し変わった。僕が彼の元に向かう様になったのだ。出会う、共に横に歩く。変わらない毎日。


 けれど僕らは毎日変化の中で生きている。彼がある日から、1人を好む様になった。僕もその変化を察して別の友人と登校する様になった。


 もとより待ち合わせを約束していた訳ではない。どうなっても自由。どうなろうと。


 彼は1人が良いという風でありながら、新たな友達を見つける。その姿を家から何度か見ることがあった。


「行ってきまーす!!」玄関から大きな声で言う声が聞こえる。


「ちょっと待って。お父さん、デジタルカメラ持った?」


「持ってる持ってる!」


 玄関を出ると庭の木が花びらをなびかせる。


「かずき、ちょっと待って。お母さん、もうすぐ来るから」


「待たないよー、お父さん」家の前の道には他の生徒たちが親と歩いている。その列に息子は入れないらしく、言葉とは裏腹に家の敷地を出る事は無い。


 息子に追いつく。僕は少し息を整える。


「おはよう」僕に声がかけられた。そんな気がして顔を上げる。小さな小学生を膝下に歩く友人の姿がそこにあった。僕らは笑う。


 何かきっかけがあると寄ったり、また理由もなく離れたりする。昔と変わる事なく。

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