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約500文字の毎日  作者: 端役 あるく


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音のしない朝


 朝、自然起床のままに目を覚ます。午前6時12分、朝日が角度をつけ始める頃。


 いつものスケジュールのままに起きる朝。ただ違うのはスマホのアラームが耳を痺れさせない事である。体は面白いもので、アラームが鳴ろうと鳴らまいとその時間あたりにちゃんと起きる。


 ピロンとスマホに通知。母からのものである。


 ため息を吐いて、それを見る。『今度の……』という所までみて止めた。視線をずらす為に他の通知を見る。前夜に流れて来たのか、もう一つ会社の人から。仕事のメール、こちらも少し覗いた。


 ピリッと頭に痛みが響く。


「もう一度ねる?」自分に問いかける。


 私はふっと体を起こすと化粧棚の中に入っている耳栓を取り出す。それをつけると小さな音たちは主張を弱める。


 キッチンで750mlの湯を沸かす。沸いたものをコップに注ぎ込んでインスタントコーヒーを作る。匂いが鼻腔を包む。ふっと息を吹きかけると湯気がメガネを曇らせる。


 折りたたみ式の小さな椅子に腰掛ける。朝の陽光が少し漏れ出すカーテンに視線を向けて。


 音のしない朝。

 音が無くなるとずっと私がこの空間で1人だったんだと思い知る。静かで空気が揺れない。


 脳内のカレンダー。ぼやける。昨日も明日も、自分と切り離されている様に知覚する。空気に揺蕩う。


 頼むから静かに。ずっと、朝の静けさを引き延ばす。スマホを寝かせたまま。

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