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【多分、bot餌やり短編集】約500文字の毎日  作者: 端役 あるく


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汚れたぬいぐるみ


 わたしは汚れたぬいぐるみをクローゼットの中から引っ張り出す。それを見て、胸の中が熱く心地の良い浮遊感がわたしを1cm空へと向かわせる。


「手に入れてから、ずっと入れっぱなしだったかも」狭いアパートの一室にはこのどこの商標キャラでもない大きいだけが取り柄のぬいぐるみは手狭だった。


 クローゼットには見えるところにわたしの服がこれでもかと詰め込まれて、その奥の隙間に袋詰めのぬいぐるみがあるのだ。


 これはその一つ。


 改めて見ると可愛くないし、汚れているし、本当に大きいだけだこれは。


 この胸に浮かぶ思いは何か、これが疑問で仕方ない。


 積もった埃というのは、時間だろうか、比例しているだろうし。ではこれが綺麗になればわたしはこの思いを抱かないだろうか。


 掃除機で表面は綺麗になって、埃は無くなって、けれどわたしの気持ちは変わらない。長い間、持っていたからの執着か。


 出会いは一瞬だったはずだ。クレーンゲーム、レバーすら握っていなかった。それからずっとクローゼットの中で眠ってたんだ。思い出なんてほとんど残ってない。けれど、心の中が嫌にざらつく。


 本当に、よく遊んだ記憶もない、悩みを聞いてもらったこともない、顔もよく見たら可愛くない。本当に大きいだけが取り柄のぬいぐるみだ。

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