狂った羅針盤
人生の向かう先を考えるときは何度かあるだろう。高校3年生を迎える僕もまたそうである。
周りの皆んなはどんどんとその進む先を決めていて、僕だけが置いてけぼりにされている気分である。これが良く言う『周りの皆んなって誰のこと、皆んなこのゲーム持ってる、の皆んなならそんな奴等いないよ』の表現なら良かったのだけれど、放課後、僕は先生に呼ばれて白紙で提出した進路希望用紙を突きつけられ「お前だけ、何も書いていなかったぞ」と言われたのだ。
「何かやりたい事は無いのか、学びたい事とか、なりたい職業とか」
「……ありません」
僕のその答弁は先生に不十分を思わせただろうが、十分な諦める要素にはなった様で。
「じゃあ、よく考えて来い。今なら色々な職業のこととかをスマホで調べたりできる。少しでも見ていけば世界が変わるだろう」
そう言って、僕は指導室から自宅への帰路へついた。教室には自習に残る生徒もいた。
僕は言われた通りに職業について考えることにする。
働いたもの負け、税負担率50%、外国人労働者優遇、治安の悪化、年金の消滅、負担率のさらなる増加、職業のAIによる代替、裏金、癒着、トクリュウ、金、金、金。
どうやら僕の行く道はそう言ったものらしい。狂っているだろうか、それでも進むのだろう、人生は。




