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約500文字の毎日  作者: 端役 あるく


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破けた網戸


 頭に入るのは、音だった。外から聞こえる雨音、部屋の中にある秒針の鼓動、自動二輪の威嚇音、座る椅子の悲鳴。


 私は目の前に現れる情報を脳内に入れながら、炭素で形にしていく。書いて覚えるのは効率が悪いよとか言っていた同級生はその情報を拾った動画主に効率を悪くさせられていた。


 同級生の顔が浮かぶ。言葉を発していて、何度も何度も言う。無駄、無駄、効率、効率、金、金、将来、将来……


「だぁーーーーーーーー」


 私は一つ大きく伸びをする。もう一度、机に向き合い直して、シャーペンをノートに打ち付ける。炭素がダイヤモンドの道を生み出しそうなほどの圧力がかかる、価値が道になる。


 『ダイヤモンドというのはね、買った時点で価値が半分以下になるんだよ』声がする。そもそも、ダイヤモンドに価値なんてないんだよ、踊らされた人が勝手に大枚をはたくだけ。


 鬱陶しい、死ね。びりっ、私はダイヤの筆圧でノートを破いてしまう。何をやってるんだ私は。


 暑い部屋。私はぐるりと回転椅子を回すと、網戸越しに外の景色を見る。


 ぷーん。


 羽音に私は手を振り回す。蚊がいる。蚊取り線香をつけて、何処から入ったのかを確かめる。網戸が少し破れているのに気がつく。これなら、いくらでも入ってくるだろう。


 無駄、声がした。紛れもなく、私の声。

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