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約500文字の毎日  作者: 端役 あるく


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外れた車輪


 帰り道、長い坂道、下り道。私は冷たい空気を頬に感じながら進む。ガチっと音がして、自転車が異音を上げる。ハンドルがいうことを聞かない気がして、左右にバランスを取る様にして、バランスを崩す。


 ブレーキは効くから速度は落ちる。けれど、方向性を失った自転車は道路の歩行者段差にぶつかって、私を吹き飛ばす。視界は横にひっくり返って、地面に腕と肩が着地してところで縦にひっくり返った。


「たっ……」


 単身事故で良かったと思ったのが、最初だった。それから、ぐったりと体を落として、地面に座り込む。周りを見渡して、現状を把握する。手のひらに血が滲む、幸い他の部分に大きな痛みは感じない。


 体を起き上がらせる。飛び散った自転車のパーツを集めなければ。前輪は車道に飛び出していて、急いで回収しなければいけない状況だ。


 軽く痛む体を道路へ繰り出す。前輪はいつの間にかボロボロになっていたみたいだ。私は拾い上げる。


 拾い上げて思う。まだ今なら間に合うだろうか。この今の自分なら、優しい彼なら。


 拾い上げる、頭に手の痛みが広がる。後輪だけがついている自転車を立たせてカゴに放り込む。ガチャンと音を立てて、立つ。このザマでさえ立つし、押せば進む。


 一輪になってさえ、まだ進む。


 

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