鳴く目覚まし時計
朝、起きる。目を開けて、体を起こして、スマホを持ち上げる。ブルーライトが私の目を襲う。それに立ち向かう私は歴戦の勇者だろうか、違うだろうな。
刺激に戦いを挑んでいるどころか、その刺激は副産物で主要因の引力には完全に敗北している。堕落し切っているではないか。
嫌になるけれど、そんな風が頭をよぎっても辞められないのがその作業である。スクロール、スクロール、少しみて、スクロール。
腐っているというのは死んでいるということにはならない。発酵というのが腐敗とほとんど一緒だと言うけれど、人が腐ると人が発酵するのとは同じだろうか。私は間違いなく、今腐っているけれども、発酵とはどうすれば良いことなのだろう。少しの変化だと言うのなら教えて欲しい。
改めて、人が腐るとは良い表現だとこれ以上ないほどに思う。実に的を得ている。もちろん、実際に腐敗するわけではないからウジが湧くわけではないが、私の場合、五月蝿い流行りのポップスがブンブンと飛び交う。
五月病、私、死体。そっくり。
ピピピピピピ。目覚まし時計が鳴り響く。スマホからポップスの音を上書きする鳴き声が聞こえる。鳥の音の様に甲高い。蝿を散らす。
立ち上がる。大きくあくびをする。ビリビリビリビリ。カレンダーは五月の終わりを告げた。




