もう満足した夜
24歳、ペンを置く、久々の勉強だったが2ヶ月もすれば体は慣れてくる。充足感もある。資格試験合格、それを目指して。
「でもどうなのかなって」
「えっ?」
「いや、なんかその資格、それだけじゃあんまり意味ないらしいよ」
「どういう意味?」
「だからそう、今は確かにその資格で働き口も正社員雇用であるだろうけれど、後々その仕事無くなるってこの前ネット記事であったんだよね」
「……」
「もっと手仕事系が良いって、看護師とか、介護士とかそんな感じの」
僕は歯噛みする。彼女の言葉。溢れ出る気持ちと受け入れられない気持ちが2つともぶつかり合う。
「それか、ブルーカラーの仕事とか良いらしいよ。人への貢献したという気持ちも、つまりはやり甲斐も大きいらしいし」
彼女は動画編集の仕事の片手間に僕と通話をする。深夜2時を回る。僕は寝床について天井を見上げる。指で小さなペンだこを撫でる。
今やってること、無駄って言いたいの?
言いたかったが辞めた。今、アルバイトで食い繋いでいて安定感が無いのは間違いない。言い返すのも気力がいる。
「とりあえず、なんでも仕事についてよ。でも、月に30万は稼いで欲しいな」彼女の言葉。
僕は言葉を飲み込む。多分、覚えてはいないけれど、何かしら流す様な言葉を発した気がする。
そんな夜。僕はこういう夜に、毎日べったりくっついて止まない床より天井と仲良くなりたいと思う。




